「社員第一主義」が変える造園業のこれから
植彌加藤造園株式会社の荒川浩介です。現在私は人材塾7期生として、3月発表の個人研究に向けて取り組んでおり、学会で得た学びを日々振り返りながら形にしようとしています。このような機会をいただき、皆様と学びを共有できることに感謝しつつ、自分なりの考えをまとめてみようと思います。
私は、京都で造園業を営む老舗企業に勤めています。私たちの仕事は日本庭園をはじめとする伝統的な造園技術を守り、次世代へ繋いでいく重要な役割を担っています。職人の世界では常に「勝ち残れ」と言われてきました。私はその言葉を胸に、必死で頑張ってきたつもりでしたが、同僚や後輩が次々と辞めていく姿を見送りながら、何もできない自分に苛立つ日々を過ごしていました。そんなとき、社長から手渡された『会社の偏差値 強くて愛される会社になるための100の指標』が、私の価値観を変えるきっかけとなりました。この本が導いてくれた「人を大切にする経営学会」での学びは、私にとって大きな気づきの連続でした。
学会での合宿や訪問企業での体験は特に印象的で、訪問先の企業で見た社員の皆さんの笑顔は、これまでの自分の考え方を大きく覆すものでした。その笑顔からは、単なる業務の延長線上では得られない『働きがい』や『職場や地元への愛情』が伝わってきました。また、その企業の社長も生き生きと自社の取り組みを語り、社員をまるで家族のように大切にしている様子が非常に印象的でした。
特に驚いたのは、経営者の皆さんが利益の追求だけでなく、社員が働きやすい環境づくりにどれほどの知恵と時間を費やしているかという点です。その取り組みは、まさに「社員第一主義」ともいえるものでした。経営者の方々の姿勢に触れるたびに胸が熱くなり、会社や自社の社員に対する考え方が変わりました。これまで私は、業績を伸ばすためには効率的に働くことこそが重要であると考えていましたが、学会での学びを通じて、社員は「ともに働く仲間」であり「家族の一員」であると捉え直すようになりました。この意識の変化から、同僚に対してこれまで以上に気持ちを向けるようになり、相手を支えたいという思いが芽生えました。
この1年で、私自身に少しずつ変化が生まれたように感じています。特に、社員それぞれのライフスタイルや、社員どうしの関係性を考え直す時間が増えました。これまで話す機会の少なかった同僚とも会話をするようになり、小さな変化ではありますが、社内の雰囲気にも少しずつ影響が現れ始めているように感じています。ただ、まだ会社全体が「社風」と呼べるほどの一体感を持つには時間がかかると感じています。社員一人ひとりが同じ方向を向いて、日々努力を積み重ねていくことが大切だと学びを通じて感じました。
その取り組みの一つとして、初めて新年会を開催することにしました。今年のテーマは『「きく」聞く・聴く・訊く』です。会社のこと、社員同士のこと、そして会社の未来について、より深く知り合う場にしたいと考えています。普段接点の少ない社員同士が互いを理解し合い、学びを共有する場になればと思います。これから、社員一人ひとりが「ともに働く家族」として認識し合い、お互いを尊重しながら働ける職場を目指していきたいと考えています。
今年の後半には、再び記事を書きたいと思います。この取り組みを通じて、会社がどのように変化していくのかを皆さまにもお伝えし、少しでも期待していただける内容にしたいと考えています。
引き続き、学びを深めながら成長していけるよう努力してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
人財塾7期生 植彌加藤造園株式会社 荒川浩介
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