No350記憶に残る言葉【コーケン工業株式会社;村松久範社長(当時)】
今回は2017年3月の「第7回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」にて中小企業庁長官賞を受賞された『コーケン工業株式会社』さんをご紹介致します。
2013年6月に坂本ゼミ生約10名で企業調査研究の一環として訪問させていただき、当時代表取締役だった村松久範社長に約2時間にわたってお話を伺いました。
●概要
社名 コーケン工業株式会社
会社設立 1971年12月1日
資本金 4,000万円
主要得意先(五十音順)
(株)IHIアグリテック オリエント商事(株) (株)クボタ クボタマシナリートレーディング(株) (株)日立建機ティエラ ヤマハ発動機(株) ヤンマーパワーテクノロジー(株) ヤンマー建機(株)
本社工場 静岡県磐田市飛平松214-1
代表取締役社長 大石 剛
同社は静岡県沼津市で1971年に創業。その後浜松市移転を経て1995年に本社と2工場を統合して現在の磐田市に移転。創業時からパイプ生産を行っています。
●特徴(2013年当時のお話です)
・通常では工程ごとに別会社へ分業している業種にありながら、パイプ引抜/切断、切削、曲げ/端末加工、溶接、酸洗・表面処理まで自社内で一貫生産体制を構築
・多品種少量生産を実現し、さらに超少量・超短納期を実践している
・年齢は80代から中卒の10代まで3世代が同居
・人の絆・チームワーク・人間力を重視
・障がい者雇用を自然に実践している(社員251名中15名(重度障がい者4名含む)約5.97%)
●印象的だった村松社長の話
・(今のような会社に)なろうと思ってなったのではない。でも思いがないとならない
・医者でいえば総合診療医になりたい。総合診療医は聞いて聞いて聞くことが大切
・社内の隅々や小さな情報を感じとる能力・観察力が大切
・あまり近づきすぎない。ある程度距離を置く。“してやった”になってしまう
・特別なことはしていない。家族なら当たり前のことをしているだけ
・若くても高齢でも誰もが成長していかなければならない。家族とはそういうもの
・良い製品をつくると製品が納め先にしゃべってくれる
・200人くらいの社員の家族構成や名前は覚えている(250人全員はむりかなぁ~と)
・高齢者は年をとった人ではなく年を重ねた人
・採用活動では学生さんには説明会や面接時は普段着で来てもらう(緊張させずに普段通りで臨んでほしいから)
●最後に
村松社長は幼少時に終戦を迎え、お父様はロシアで亡くなり祖母に育てられたと言います。また“日本人という家族で育った”とも言います。このような思いが高齢者や障がい者を含めた社員とその家族までをコーケンファミリーとして大切にする理由なのではないかと感じました。
ある高齢男性の社員さんは“コーケンに来てよかった。会社にいると友達が増える”と笑顔で話してくれました。
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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