小さな習慣が心を磨く
経営人財塾7期生、株式会社近正の高橋謙治です。私たちは大阪・堺市で創業し、115年の歴史を持つハサミメーカーです。園芸やお花に使うハサミを主に製造しており、「私たちは独創技術を持って、お客様の求める品質と信頼で社会に貢献する」を理念に、ものづくりを続けています。
今回は、私たちが日々取り組んでいる「掃除の大切さ」についてお話しします。毎朝9時から1時間、製造部社員と社長や役員が一緒に製造ラインの清掃をしています。特に研磨製造ラインでは、鋼やステンレスを研ぐ際に発生する砥粒や鉄が混ざったスラッジが大量に付着します。これを放置すると機械に悪影響が出てしまうため、機械内部、配管や通路の床面まで、しっかりと汚れを取り除きます。
掃除を続ける中で実感するのは、「掃除は心の鏡である」ということです。手を抜けばすぐバレますし、掃除をしている姿は周囲にも伝わります。一方で、真剣に取り組めば、その姿が仲間にも良い影響を与えます。掃除後は、環境だけでなく、自分の心も整い、リフレッシュした気持ちになります。
しかし、毎日続けることは決して簡単ではありません。掃除自体は単純な作業ですが、「継続する力」が問われます。それでも、一人が真剣に取り組む姿を見れば、周囲も自然と「手伝おう」という気持ちになり、それが広がってチーム全体に無言のコミュニケーションの様なものが生まれる感覚があります。
私自身、日々の生活で心を整える習慣を大切にしています。じつは超三日坊主の私ですが、毎朝仏壇の水を替えて感謝の気持ちを持つ時間を続けています。長年のこの小さな習慣が、私にとって心をリセットし、1日を乗り越える為の力を与えてくれる儀式の様なものとなっています。掃除もまた、続けることで何かしらの自己成長の力になっている様に思えます。
昨年、経営人財塾の夏合宿で訪れた九州の企業では、外見の清潔さ以上に、経営者や社員の方々の心が輝いているのを感じました。「人を大切にする経営」の鍵は、経営者自身の心の在り方が重要であると学びました。
また、塾では毎回、坂本先生よりいただく「感動エピソード」の輪読の大切さを実感しました。いつも読み終えた後、心が洗われたような気がします。経営者や社員の心を育むための重要な手段であると感じました。経営者の心が曇っていては、社員を大切にすることなどできない――。 これからも経営者自身が率先して心を整え、「人を大切にする経営」を実践し、社員と共に成長し続ける企業を目指してまいります。とは言いつつも、あまり力まずコツコツ行かせてもらいます。
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人財塾7期生
株式会社近正 高橋謙治
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