「“人を大切にする経営”が、自分の仕事の意味を変えた」―― テクノアで働く私が、経営人財塾で得た気づき
ソフトウェア開発会社に勤める私は、日々、中小企業へのシステム導入や業務改善の支援を行っています。2024年4月からの1年間、「人を大切にする経営学会 経営人財塾」に参加し、EMBAの仲間と共に学び、さまざまな企業を訪問させていただきました。その中で、自分の仕事の意味を見つめ直すような、大きな転機を迎えました。
これまで私は、システム導入によって業務が効率化されたり、原価が下がったりすることに価値を見出していました。「数字で改善が見える」ことが仕事の成果だと思っていたのです。しかし、ある企業を訪問した際、年齢や立場に関係なく社員が輝き、現場に笑顔と誇りがあふれている様子に触れ、「経営の成果とは、“人の幸せ”として現れるものなんだ」と強く感じました。
特に心に残っているのは、80代の社員が現役で活躍している姿や、社長が社員一人ひとりの顔と、家族のことまで把握し、毎朝声をかけているという話です。社員とその家族を大切にする温かい風土の中で、若手もベテランも安心して力を発揮している様子を見て、「こんな会社が本当にあるんだ」と感動しました。
それ以来、私の現場支援のやり方も少しずつ変わりました。例えば、単に「この機能をどう使うか」ではなく、「この仕組みが現場の誰を助けるのか」「この改善が、働く人にとって意味のあるものか」を意識するようになりました。ある企業では、システム導入をきっかけに、現場・管理職・経営者が同じ場で本音を語り合う会議を行いました。「こんな会議は初めてだった」と言われたその時間は、ただの機能説明ではなく、それぞれの立場から課題や期待を共有する「対話の場」となりました。
これは、“見える化”を通じて課題が顕在化し、社員一人ひとりの行動が変わり始めることで、組織全体が前向きに動き出す――そんな変化の連鎖を目の当たりにした貴重な体験でした。単なる効率化にとどまらず、「会社経営」を自分たちの言葉で語り合い、課題を共有し合いながら、「自分たちの会社を自分たちで良くしていこう」という一体感が生まれる場となったのです。会社を“自分ごと”として捉える社員が増え、人と人が本音で向き合い、理解し合う風土が育ち始めていると感じています。
私は、テクノアという会社でITを通じて企業を支援していますが、経営人財塾を通じて、「ITや数字は目的ではなく、人を幸せにする手段である」と心から思えるようになりました。今後も、目の前の成果だけでなく、その先にいる“人”に目を向けながら、自分の仕事に向き合っていきたいと思います。
人財塾7期生
株式会社テクノア
古川祐介
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