星に願い、いまを生きる
今年の夏、全国各地で40℃を超える暑さが観測されました。
「ここまで暑くなるなんて…」と、誰もが一度は口にしたのではないでしょうか。
私もその一人で、連日の酷暑に少しばかり疲れを感じながら、ふと立ち止まった夜のことを思い出します。
7月、出張で訪れた四国の海沿いの町。夜、涼を求めて外に出て見上げた空には、太平洋の上に広がる満天の星。天の川がうっすらと帯のようにかかり、そこへ流れ星が一筋――思わず足を止め、しばらく見入ってしまいました。
そのとき、ふと思い出したのが「近い将来、小惑星が地球に衝突するかもしれない」というニュース。まさか、いま見えている星のどれかが…と冗談のように思いつつも、どこか現実味を帯びて感じられたのです。
実際に、日本経済新聞でも報じられていました。「2032年12月22日、小惑星が地球に衝突する可能性がある」と。
映画『アルマゲドン』を思い出した方もいるかもしれませんが、現実は派手な展開も音楽もなく、求められるのは観測と科学的な検証です。
衝突の確率は1%以上。今後の観測で変わる可能性もありますが、こうした話題は、私たちに「限られた時間」という現実を意識させます。
私たちはふだん、未来のために計画を立て、準備をします。でも、思い通りにならないことの方が多いのが現実です。私自身、家族の病気や事故を経験し、「当たり前」だと思っていた日常が一瞬で変わることを痛感しました。だからこそ、大切な人に感謝を伝えること、やるべきことを先延ばしにしないことを、日々意識するようになりました。
「今この瞬間を大切に生きる」――と言うと、少し大げさに聞こえるかもしれません。
でも、何気なく見上げた空の青さや、誰かとの何気ない会話、美味しいごはんを味わう時間は、思いのほか心を満たしてくれます。
そうした時間を誰かと分かち合えたとき、その豊かさは何倍にもふくらむように思います。
NASAでは、小惑星の軌道を変える研究が進んでいるそうです。私たちには宇宙を動かす力はありませんが、今できることを少しずつ丁寧に重ねていくことで、自分自身の“軌道”を整えることはできるのかもしれません。
もし本当に衝突する未来がやってきたとして、私たちは何を選ぶでしょうか? 旅行に行く? 好きなものに囲まれて寛ぐ? 大切な人と過ごす?
どれも素敵ですが、たぶんいちばん大事なのは、今日を「よかった」と思えることを積み重ねていくこと。そうして生まれる穏やかな満足感が、人生の質を決めていくのだと思います。
夜空を見上げながら、「この地球が、ちゃんと未来を迎えられますように」。人類代表として、星に願いをかけました。
引用:日本経済新聞 2025年1月31日 『2032年に地球衝突?小惑星発見 NASA「可能性は1%」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG30E790Q5A130C2000000/
人財塾7期生
㈱東洋生興 前川
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