アメリア軍事産業のデータに見る本音!?
前回、アメリカの自動車産業の生産能力が30年前に加えて6分の1になっていることをデータで示しました。これは、自動車だけではありません。他の製品においても民生品の製造能力は、国際競争力がなく、極度に生産能力実績が落ちています。世界最適購買を目指し、低コスト地域でつくって恩恵を受けきた代償ですから、簡単に復活とはならないでしょう。
一方、驚くようなデータがあります。アメリカは、武器製造能力は、とんでもなく増強され、武器製造メーカー5社の生産能力は、国家予算の半分に匹敵するほど大きくなっています。また、最新鋭でかつ市場競争力もダントツで、世界で最大の市場を独占しているのです。(下記参照)

このため、世界で戦争が勃発するほど、アメリカの武器の生産は活発になり、儲けが出て国際市場を支配できる構図です。現在の、アメリカは武器を提供する国家で、アメリカの武器を買った国が、同じ武器で戦争するほど儲かります。
Peace through Strength、民主主義を世界に広めることを大儀にして、武器を使って「更地:独裁政権を転覆させる」という構図とも見えます。
当然、トランプもアメリカの軍事産業が強いといったこと、さらに、製造業が衰退していることを知っていると思います。
穿った見方をすれば、トランプは、アメリカに製造拠点を復活するというのは隠れ蓑で、世界を混乱分断させて、隣通しで戦争させて武器で儲ける「Merchant to Death」ビジネスを見通している可能性もあります。現在、トランプは、NATO加盟国だけでなく日本を含むアジア同盟国対してGDPの5%を国防日本を要求しています。各国は財政状況や安全保障上の懸念から、対応に苦慮していることは、様々なメディア報道からご存知の通りです。高い生産能力があるアメリカ製の武器がもし、各国の軍事費がGDPの5%になれば、トランプが言う「グレートアメリカ」は実現しますが、それでいいのか?といった気持ちにもなります。
「人を大切にする経営」を推進するには、こうした世界の中で対処していかなければならなりません。企業経営において、前回、書いた関税をはじめ、自社だけではコントロールできない状況に対処するのは、口で言うほど簡単ではなく大きな影響があると思います。
孟子が性善説、旬子が性悪説とき、マクレガーがX理論、Y理論と言いましたが、私は、人の中には、両面が内在して、コントロールしているのだと思います。
トランプがおかしい!と言っても何も変わらないので、両面があるのが人間といった前提に立ち、現実と理想のハザマの中で生きていくしかないことを踏まえ、理念を見失らず冷静な判断をすることが肝要だと思います。これも、なかなか難しいのですが・・・ 藤井 正隆
コメントを残す