「年縞」というロマンあふれる「ものさし」
人財塾7期生、株式会社天彦産業の樋口です。
今年2回目のブログということで、今回は、ずっと行きたいと願っていて、ようやく訪れることができた場所について綴りたいと思います。
その場所とは、「福井県年縞博物館」。
名前を聞いてピンとくる方は、地質や考古学に造詣の深い方かもしれません。
「年縞(ねんこう)」とは、湖の底に堆積した土砂が、1年ごとに積み重なった縞模様のこと。
地層と違って、1年1年がはっきりと区別できるため、まさに“自然が残した年輪”のような存在です。
この年縞が、世界でも類を見ないほど美しく残っているのが、福井県・三方五湖の一つ、水月湖(すいげつこ)です。
ここまで長く、綺麗な形で堆積が続いた例は極めて稀で、「奇跡の湖」と呼ばれています。
湖底から採取された年縞は、なんと45メートル、約7万年分。
1年あたりわずか0.7ミリの堆積に、葉っぱ、花粉、火山灰、微粒子などが一層ずつ静かに記録されています。
これを詳細に分析することで、気候の変化や火山噴火などの痕跡が“年単位”で特定できます。
特に興味深いのは、年縞が
放射性炭素年代測定(C14)の校正基準=世界共通の「時間のものさし」
として使われていること。
水月湖の記録をもとに、世界中の遺跡や地層の年代がより正確に測れるようになっているのです。
7万年におよぶ気候変動、日本の自然史、そしてホモ・サピエンスが歩んできた人類史。
それらが、この静かな湖に眠っている。そう思うと、胸が熱くなるほどのロマンを感じました。
博物館も素晴らしく、木の温もりを生かした建物の中に実物の年縞が展示され、まるでステンドグラスのよう。
長い廊下を歩きながら、7万年の「時間」を一望できます。
展示を眺めながら、ふと考えました。
いま私たちが人財塾で学んでいる「経営のあり方」や「経営のやり方」もまた、経営者自身の“ものさし”をつくる学びなのではないか、と。
坂本先生の教えは、迷ったときに立ち返る軸であり、判断を支えてくれる基準です。
私自身も、愚直に学び続け、学びを実践につなげることで、自分の軸を定めながら、年縞のように1年1年を積み重ねていきたいと思っています。
人財塾7期生
株式会社天彦産業 樋口威彦

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