「人を大切にする経営に、終わりはない」

私が初めて坂本光司先生と出会ったのは、今から30年ほど前になるでしょうか。

先生が40歳代後半の頃だったと思います。

当時、坂本先生は静岡県の出先機関に在籍され、中小企業経営者向けの勉強会を開催していました。

父が初回から参加しており、10年ほど経ってから私も出席するようになりました。

その頃から先生の著書は拝読しており、『日本でいちばん大切にしたい会社』も読み、近くで講演会があれば足を運ぶようにしていました。

2000年に社長に就任しましたが、当時の社内事情から「人を大切にする経営を社内に落とし込むことは無理」と思っていました。

転機は2013年です。

ご縁をいただき、法政大学大学院に入学し、坂本光司研究室で学ぶ機会を得ました。

週2回は静岡市内のサテライトキャンパスでの夜間授業、土曜日は都内にある市ヶ谷キャンパスでの授業と共に坂本ゼミへの出席。

ゼミでは、先生が毎週、最新の社会・経済ニュースをもとに語ってくださっていましたが、2014年頃から「経営の軸が業績から幸せへと移り始めている」と実感するようになりました。

「当社を、いい会社にしなければ・・・」

入学から8か月後の2014年1月、貸会議室を借りて幹部社員にその想いを伝えました。

最後の感想共有で、今も記憶に残っているのは次の二人の言葉です。

「会社が変わるんですね・・・」

そしてもう一人は、「社長が何を言っているのか全く分かりません。どこへ向かうのか、特急で行くのか普通電車で行くのかも分からない・・・」という発言でした。

その言葉に、何も伝わっていないことを痛感し、愕然としました。

当社は、指示がなければ何もできない「指示待ち人間」の組織になっていたのです。

その後、毎月「いい会社づくり勉強会」を続けました。

開始してから1年10か月後に、No.2の幹部社員から「社長は外に向かって、いい顔をしようとしていると言っている社員がいる」という発言がありました。

1年10か月も学んできたにもかかわらず、後輩に説明する役割を果たさず、その言葉を私に投げかけられたとき、目の前が真っ暗になりました。

「ここまでやって、この結果か・・・」

そう思いながらも、諦めずに歩み続けてきたことで、360度方向に散らばっていた管理職のベクトルが少しずつまとまってきました。

そして、ありがたいことに、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」に推薦してくださる方が現れ、「落選してもともと」という気持ちで応募したところ、第12回審査委員会特別賞を受賞することができました。

しかし、これはゴールではなく、ようやくスタート地点に立てたという思いです。

人を大切にする経営にゴールはありません。

人を大切にすればするほど人が集まり、結果として利益が生まれる組織になる。

少子化が進む中で、生き残るのは「人を大切にする企業」だと確信しています。

今回、法政大学大学院 坂本光司研究室を修了してから5年が経過し、新たに経営人財塾に入塾しました。

学ぶ中で、「知っているつもり、やっているつもり」だった自分に気づかされると同時に、数多くの学びと気づきを得ることができました。

そして、7期メンバーと共に学べたことは、私にとって大きな財産となりました。

経営人財塾7期生としての学びは終わりますが、「人を大切にする経営」の実践は、これからが本番です。

写真:経営人財塾7期 卒塾日に開催した謝恩会

人を大切にする経営学会員
(法大)坂本光司研究室&経営人財塾7期卒
村田光生

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