「三現主義」の大切さ
自身としても長年携わっている日本の大学における
「キャリア教育」の状況について少し触れたいと思います。
まず、キャリア教育の実施背景や位置づけですが、
日本の大学では、学生が社会人として必要な力を身につけ、
自分のキャリア(職業や生き方)を主体的に考える力を育てる
教育として「キャリア教育」が位置づけられています。
2011年の大学設置基準の改正で、
キャリア教育やキャリア形成・就職支援が事実上義務化されました。
これを受けて、大学ごとに体系的な教育が進んでいる状況です。
実際に、大学で行われている主な取り組みとしては、
多くの大学が 「キャリアデザイン」や「キャリア形成」などの
正課授業を設けています。
これは、単なる就職対策ではなく、
自己理解・社会理解・職業観の形成を目的にした科目です。
「キャリア」という概念を人生全体の「生き方」と捉え、
アクティブラーニングで思考力やコミュニケーション力を育成する等しています。
社会や仕事現場を体験し、
キャリア観を早期に醸成する場としてのインターンシップなども
積極的に推奨しています。
そのような状況下において、
私が、いつも学生のみなさんにお伝えすることは
「多くの価値観に、自分の目で、身体で触れよう」ということです。
大半の大学生は、20年近く人生を歩んできていますが、
それまでに培ってきた経験、情報というものは、
世の中のありとあらゆる情報の中でごくごく僅かなものです。
ほとんどが「未体験」ということです。
これから先、生きがいを感じながら愉しんで人生を送るためにも、
知らないことを知り、
自身の人生の選択肢の幅を広げてもらいたいと思っています。
そのためにも、自ら現場に足を運び、現物に触れ、現実を知るという、
いわゆる「三現主義」を大切にして欲しいのです。
年々早期化する就職活動において、
インターネットで収集した魅力的に映る条件面の情報や
ネームバリュー等で会社を判断するのではなく、
その現場が血の通った温かい空気が流れている場所であるか、
働いている方々が愛に満ち溢れた素晴らしい社員さんたちであるかは、
自身の目で確かめ、肌で感じて欲しいと思います。
(人を大切にする経営学会 事務局次長 / CH 代表 佐々木 研)

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