「人を大切にする経営学用語事典」の用語紹介
【アブラハム・ハロルド・マズロー】
アブラハム・ハロルド・マズロー(1908-1970年)は、ブランダイス大学で心理学科長を務めたアメリカの心理学者である。1967(昭和42)年から2年間はアメリカ心理学会の会長も務めた。
マズローの心理学は、第一勢力(精神分析の影響下の心理学)や第二勢力(行動主義の心理学)と異なる第三勢力の心理学(人間性心理学)であり、「人間性心理学の父」と呼ばれる。人間の精神健康を前提とした経営管理のあり方について多岐にわたる調査・研究を行った。「いい人間とはなにか、いい社会とはなにか、いい経営管理とはなにか」を問い続け、人と企業の関係、企業と地域社会の関係のあり方を提唱し、それを生み出すリーダーシップのあり方についても言及した。
マズローの研究成果の中で欲求階層説がよく知られている。人間の欲求を5階層で捉え、基本的欲求である生理的欲求から始まり、最上位に自己実現欲求を位置付けた。下位の階層の欲求が充足して初めて上位階層の欲求が顕在化するという欲求階層説は、ダグラス・マレイ・マクレガー(1906-1964年)のXY理論の基礎になっており、この理論を通じてマズロー理論も広く知れ渡るようになった。マズローやマグレガーに共通していることは、人々を動機付けることではなく、動機付けられた人々が最大の貢献をしようと進んで努力する環境を整備することを重視した点である。
晩年、マズローは最上位の上にもう一つの段階「自己超越」があると発表した。これは、他者に喜んでもらいたい、社会をよりよいものにしたい等、自分のエゴを超えて他者や社会のことを思う欲求であり、人を大切にする経営とも深い関係がある考え方である。
(第3章「経営者・研究者・専門家等に関する用語」より)
人を大切にする経営は、社員が安心して過ごせる環境を大切にします。その安心が心のゆとりを生み、社員は自ら進んで仲間やお客様、地域、社会へと貢献していきます。これは、マズローの人の欲求の考え方と重なります。
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(「人を大切にする経営学用語事典」編纂事務局 岡田 瑞穂) 

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