「人を大切にする経営学用語事典」の用語紹介

EAP(社員支援プログラム)】

EAP(Employee Assistance Program 社員支援プログラム)とは、社員の抱える様々な問題や悩みに対して、企業の福利厚生の一環として、専門家による相談や支援を提供する制度である。

EAPは、1940年代にアメリカのある企業でアルコール依存症に悩む社員への援助プログラムとして誕生し、その後、第二次世界大戦やベトナム戦争の帰還兵のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に対する精神的なケアでも活用されてきた。

アメリカのフォーチュン500企業の90%以上がEAPを導入しており、社員が抱える様々な問題を解決して社員のパフォーマンスを上げることで、企業の生産性の向上が図れるとの認識が広く持たれている。

日本では、主にメンタルヘルス対策の分野でEAPが注目されてきた。しかしながら、社員が働きやすい職場環境を整備して社員のワークエンゲージメントを高めることが求められる昨今においては、メンタルヘルス対策以外のEAPにも注目がされている。

たとえば、弁護士業界では、いま企業の福利厚生の一環として、社員とその家族向けに無料の法律相談をEAPとして提供する制度が注目を集めており、制度の推進と普及を目的に2021(令和3)年に弁護士EAP協会(L-EAP)が設立された。

組織で人が業務に集中するためには、「身体(バイオ)、心(サイコ)、社会環境(ソーシャル)」が安定していることが重要とされているところ、①身体の安定のためには医師による健康相談、②心の安定のためにはカウンセラーによるメンタル相談、③社会環境の安定のためには弁護士による法律相談が重要とされている。

そして、これらを社員の福利厚生の一環として導入するプログラムがEAPであるとされているが、これらに留まらず、家族、家計、人間関係、キャリア、ストレス等社員が抱える様々な問題を解決するのがEAPであるとされている。

EAPは、社員とその家族の幸せを実現して社会に貢献するという、人を大切にする経営の目的に資する制度として、今後より一層、社会に広がっていくものと思われる。

(第4章「社員とその家族に関する用語」より)

 

EAPは大企業だけの制度ではありません。社員とその家族の心身の健康や生活の安心を重視する姿勢こそが出発点です。その想いを、できるところから制度として整えていくことが、人を大切にする経営の実践につながります。

 

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「人を大切にする経営学用語事典」編纂事務局 有村 知里)

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