AIが活用される時代において、企業が強みをだしていくには。

昨今、生成AIの急速な進化により、業務の在り方そのものが大きく変わりつつあります。これまで強みとされてきた「平均的な処理能力」や「標準的な知識」「過去事例に基づく判断」は、生成AIによって誰もが安価に利用できるものとなり、相対的な価値は確実に低下しています。

では、これからの企業競争において、何が差別化の源泉になるのでしょうか。

 

正しい経営理念に基づくのは勿論のこと、AI活用時代において重要になるのは「AIが知らない情報」をいかに掴めるか、そしてそれをもとに、いかに質の高い問題提起や課題設定ができるかに集約されるのではないかと感じています。AIはインターネット上に存在する膨大な学習データから「正解らしきもの」を導き出すのは得意ですが、目の前の現場で起きている変化や、顧客の心までは感知できません。現場で何が起きているのか、誰がどこで困っているのか、現場のメンバーがどのような「違和感」を抱いているのか。こうした情報は、ネットワークの外側、つまり人と人との深い関わりや信頼関係の中でしか得られないものです。

 

また得られた情報に対し質の高い問題提起や課題設定を行うには、行動力やスピードだけでなく、多様な立場・多様な視点を取り込める組織であることが不可欠です。多様な背景、多様な特性を持つ人々が、それぞれの視点から「これっておかしくないか?」「もっとこうできないか?」と声を上げられる環境があって初めて、AIには真似できない独自の課題設定が可能になります。そうした問題提起が自然に生まれるためには、心理的安全性が確保され、挑戦してもよいと思える環境が必要です。失敗を恐れずに声を上げられる風土があってこそ、現場の知恵は引き出されます。

 

人財塾では、障がいという大きな違いを抱える方々の心理的安全性を高め、挑戦するモチベーションを引き出すことで、大きな成果を上げている企業の取り組みを学びました。また、全国大会ではニューロダイバーシティ(脳や神経の多様性)の視点も取り上げられ、心理的安全性やモチベーションの向上は、もはや障がいの有無に関わらず、すべての社員に適用されるべきテーマであると強く感じました。

 

多様な観点を受け止める土台が整えば、ニューロダイバーシティの実践や障がい者雇用にも自然につながり、これまで活躍の場に恵まれなかった方々に新たなチャンスを提供することができます。さらに生成AIは、その違いを埋め、能力を引き出すための強力な道具にもなり得ます。

AIが活用される時代は、人が人らしく働き、活躍できるチャンスを広げられる時代です。その可能性を現実のものにするため、私自身も学びと実践を重ねていきたいと思います。

 

人財塾8期生・株式会社テクノア・秋元信吾

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