学会基準にやっと法律が追いついてきた

既に2026年1月1日より施行されている取適法(中小受託取引適正化法)について、未だに自分の会社の取引先との取引に取適法が適用されるのか、という質問があります。

確かに、取適法は、会社の資本や、従業員数、また対象となる契約によりその適用範囲が異なってくること、中小企業がいわゆる委託事業者となったということもあることから、現場に混乱が生じているものと思います。

しかし取適法がこれまでの下請法(11の禁止項目)に加えた行為は次の2点にしかすぎません。

*協議に応じない一方的な代金決定の禁止

*手形払等の禁止

また義務としては次の4点です。

*書類などの作成・保存義務

*発注内容などの明示義務

*支払期日(成果物受領日から60日以内)の特定義務

*60日を経過したら遅延利息を支払う義務

これに対して、人を大切にする経営において、外注先、仕入れ先に対する態度として重視されてきた内容は概ね次のようなものです。

*発注単価は双方が対等な立場で紳士的に決められており、理不尽な取引をしないこと

*支払は全て現金決済

*締め後の支払いは20日以内

*依頼していた内容を内作、転注しない

改正された法律では支払期日は60日、しかし人を大切にする経営では以前から、20日が基準です。手形払いではなく現金支払、対等な立場での値決めなど、今般法律で加えられた規定は、既に何年も前から人を大切にする経営では先取りしています。

今更、自社が取適法の対象となるかなど、気にすることなく、当たり前に、外注先・仕入先(社外社員)を大切にする経営をすれば、何の問題もありません。

やっと法律が少しだけ、学会基準に追いついてきたのです。

(学会 法務部会 常任理事 弁護士 山田勝彦)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です