ヘイコーパック様訪問記
先週(6/6)特任研究員の小林秀司さんのお導きで、栃木県宇都宮駅から車で30分、栃木県芳賀郡芳賀町にあるヘイコーパックさんを訪問しました。同社は、主に紙袋、包装紙等の製造会社です。社員数は160名、その中には障がい者39名が勤務されています。
会社に一歩足を踏み入れた瞬間、整理整頓が行き届いた現場の佇まいと、対応してくださった社員の方々の所作で、良い会社であることを感じます。鈴木健夫社長様(法政大卒)が、会社について丁寧に説明して下さいました。
同社は、障がい者雇用はしていましたが、15年ほど前に転機となる出来事があったのです。それまで、業績に応じた報奨金を支給するなど、業績重視の経営姿勢で、「社内の雰囲気はギスギスしていました」と語り始めました。
熱心に説明される鈴木健夫社長様
それは、障がい者を採用する合同説明会への参加が、きっかけでした。障がい者の中で、比較的戦力化が容易な、後天的障がい者は大企業が先に採用してしまうため、同社は、就労自体が困難な、身体に障がいのある女性を採用しました。
採用された女性は、何枚ものカードを輪ゴムで束ねる作業チームに配属されました。女性は作業に不慣れなことなどから、カードを床に撒き散らすなど周囲に手間をかけたようです。効率重視の経営の下、健常者のチームメンバーから「何でこんな人を雇ったんだ」「何故、辞めさせない」などの声や雰囲気が充満しました。
その間、女性にとって職場に行くことや職場にいることは、どれだけ気が重く暗いことだったか、想像に難くありません。その間彼女は、自宅でその作業の特訓を毎日黙々と行っていました。それから2週間後の職場で・・・、女性は見事にカードを束ね続けることが出来たのです。
鈴木社長は「社内の雰囲気が一変しました」「我々(健常者)が多くのことを彼女から学びました」と語ります。社内見学中、社長の社員に対する態度や眼差しには、包み込むように大きな慈しみや温かさ優しさがあり、そこで働く方々からは純真な笑顔や安心感を感じ取りました。
お恥ずかしい話ですが、私は坂本ゼミに入るまで、障がい者についての知見や関心が極めて薄く、まるで他人事でした。今回のような体験を通じて、障がいをもつ方や社会的弱者が、一人でも多く笑顔で幸せに暮らせるように、「自分は働くぞ!」という意欲がコンコンと湧き出てきます。ありがとうございます。
今日一日、皆様にとりまして、素晴らしい日になりますように・・・。春木清隆
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