伊那食品工業さんの塚越専務の講演 その2

8月初旬、初めて参加した中部経営塾で、【いい会社をつくりましょう】と題して伊那食品工業株式会社、塚越 英弘専務取締役の講演を拝聴した。
その続きだ。

・塚越専務からも塚越会長が大切にしている二宮尊徳の話があった。
 座右の銘の「遠きをはかる者は富み、近きをはかる者は貧す」。

 もう一人、出光佐三の名前と1969年に発刊された「働く人の資本主義」も挙げられた。数年前に再販された本だ。
 戦後、出光興産の会社も焼け野原、何も残らず多額の借金だけが残った状況で、1000人の社員の雇用を続けた等、塚越会長の考え方・生き方に影響を与えたようだ。

 資産家の日田重太郎が佐三に大金を貸すのではなく、もらってくれと言った。二つの条件を付けた。
 ①家族を大切にして欲しい ②自分の主義主張を最後まで通して欲しい。

 また、神戸高商の水島銕也校長が学生を自分の子供のように接する姿勢から、大家族主義に対する確信を深めたと言う。こんな佐三の考え方・生き方が参考になったようだ。

 塚越専務、もう1社挙げられた。
 数年前に会社更生法を申請し長瀬産業に吸収された「林原」。研究開発に力を入れていたが、会社衰退の原因は人を大切にしなかったからか。

・HPには掲載していないが、毎年、行動指針がある。
 処遇は一流、仕事も一流。実のある言動を、等、年初に示され意味を考えると言う。

・会社の目的は、社員が幸せになること。
 会長と専務と余り話さないようだが、お父さんの会長を尊敬している。
 会社がやっていることは正しいと言う。違いがあるとすれば手法ではないかと言う。

・急成長し過ぎた場合は?の質問に対し、技術革新や新薬の開発等の場合は必要なもので良いとの回答。
 我が師匠、法政大学大学院、坂本光司教授も同様のことを言われる。世のため人のため、正しいこと、自然の流れであればいいことだと思う。
 即ち、不自然な流れ、ブームに乗るのは良くないことだと思う。

・目標がないとイメージがてきないとの質問に対して
 スポーツの目標とは違う。
 結果として、1円でも売上が多ければ良い。何か成長した実感があれば良いのではないかとのこと。

・企業の責任 
 雇用を創り続けること。

・誰が言うかが大切なこと。
 約束を守らない。口だけで行動は起こさない。言っていることとやっていることが違う。
 そんな人の言うことは聞かない。

・安心できる会社
 毎年確実に少しずつ給与があがる。安心して楽しく働ける。
 逆に、会社が倒産するかもしれない。クビになるかもしれない。給与が下がるかもしれない。
 安心して働けない。

 私のFacebookの投稿でコメントをいただいた。「伊那食品工業、素晴らしい会社ですよね。そのような環境なので、20代の既婚率が8割、そのうちマイホーム購入率が7割とカンブリア宮殿で紹介されました」と。晩婚化、結婚しない。安心がない会社、社会が原因だ。

豊田章男社長が師と仰ぐ塚越会長^_^
豊田の関連会社のトップも訪問している。社員が33万人いるトヨタ。関連会社の社員総数もハンパではない。日本が大きく変貌し始めている流れもある^_^

日焼けした笑顔で話され、10人を超える質問者に丁寧に回答される塚越専務、爽やかだ。

修士2年の知野 進一郎です。

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「伊那食品工業さんの塚越専務の講演 その2」への1件のフィードバック

  1. 知野さん
    ありがとうございます
    伊那食品工業さまを訪問以来、会長のご本をバイブルとして毎日読んでいます。
    都度の気づきがあり奥が深い本です。
    本田佳世子