島田株式会社
法政大大学院 坂本光司ゼミ 修士2年 根本幸治
島田株式会社
4代目社長 島田博史様(47歳)
創立1921年
資本金1000万円
大阪市西淀川区 十三(じゅーそー)近辺
従業員40人
エコ建材の内装提供
島田さんは、銭商売の気質は全くなく、非常にスマートな社長です。
自薦にて「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」に応募し審査委員会特別賞を受賞。
でも欲しかったのは賞ではなく、大好きな坂本先生からの厳しい指導でした。
審査を受ければ無料でコンサルを受けるようなもので、新しい目標が見つかります。
経営理念はHaRiss
Happy 全社員ひとりひとりが幸せになる
Rise 仕入先様・売り先様と一緒に成長
Services to Society 社会に役立つ企業
この経営理念も坂本先生の本から取ったと思いきや違いました。
祖父から100年近い歴史の会社で、経営者である父親の生き様を映した理念であり
現社の社長自身の造語として生まれた。
大企業でさえ人材採用に苦しむ中で、この会社は若人が多い。
営業成績の良い人に割増の賞与を与えようとしたら、該当する社員が言いました。
「社長そらアカン。そんなことしたら島田でなくなる。女子含めて全員同額にして」
こんな社員が集まっているのだから、当然定着率も高く、まず辞めない。
いい話ばかりではない。
かつて社員が加害者として起こした交通事故が社長の心の傷となっています。
忘れないために公益財団法人交通遺児等育成基金の賛助会員となり毎年募金を続ける。
また社員の安全教育として安全運転適性テストの実施やゴールド免許取得推進を行います。
社員の憩いの場を設けるために、自分の社長室を取り壊しました。
仕入先で腕組みをする社員には注意を与えます。
重量物を運ぶフォークリフトを倍増しました。
事務所の照明は目に優しいLEDを多めに配置しています。
会社移転で6か所の倉庫を一つに集約し作業効率を高まった社員が喜んでくれました。
社長に目標を聞くと驚くような回答でした。
会社を大きくするとか、売上や利益を上げるとか、知名度をあげるとか、どうでもいいんです。
欲するのは、父からもらった理念を完璧に実現させることです。
社員が笑顔で自信を持って働いてくれる環境を作るのが社長の仕事です。
周りの人たちを喜ばせたいです。顧客に喜んでもらうにはまず社員に喜んでもらうことです。
島田株式会社の合言葉は、「今日も皆さんに喜ばれるいい仕事をしよう!」
これを教えてくれたのは、島田の社員さんではなく、島田の取引先さんでした。
社長はこんな悩みを話してくれました。
「ウチに20歳の男の子が入社してくれます。でもふと悩みました。
この子が定年退職するとき自分は見送れない。後継社長は理念も引き継いでくれるだろうか?」
島田社長は47歳。子供は4人で小学生から高校生までいます。
後継社長は自分の子供ではなく、優秀な他人の方が良いと思っています。
しかし私は、島田一族のDNAに受け継いでもらいたいです。
根本さん
ゼミでも根本節、炸裂、
本田さんと双璧、これからも楽しみです。
知野 進一郎