スタッフと共に成長する
昨年の第6回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の受賞企業の宮平社長の巻頭言。
今年の受賞式は3月21日(火、平日)に法政大学で開催されます。
毎週金曜日に「人を大切にする経営学会」のメルマガより。
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スタッフと共に成長する〜会社で一番大切なこと〜
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株式会社Dreams 代表取締役 宮平 崇
株式会社Dreamsは、「ポップコーンパパ」というブランドで、ポップコーンを
3店舗とネット通販で販売しています。社員数は8名で、アルバイトを含めると
50名のスタッフと一緒に仕事をしています。
会社をはじめてもうすぐ12年になりますが、経営するうえで大切なこと、良い
会社とは何かとすごくよく考えました。もっといい会社にしたいと勉強する
なかで、あるところでは経常利益率や自己資本率、あるところでは戦略や
マーケティング、経営理念やビジョン、さまざまな答えがあり、それぞれが
間違いではなく、それぞれが大切なんだと思います。人が大切だというところ
は多くありますが、これもそれぞれ大切にする思いが違ったりします。
いろんな会社を見ていく中で、僕の心に一番響いたのは、やっぱり社員が
やりがいを持って輝いて働き、そして仕事を通して成長する職場です。
そういう会社の経営者の考えを伺うと、社員が自発的に働くようにさまざまな
工夫をしています。ある経営者から「自ら考え、発言し、行動して、反省する」、
このことを実行した時、人はやりがいを持ち、成長すると聞き、すごく腑に
落ちたのを憶えています。果たして自分はどうか、振り返ってみると、自社で
これを実行しているのは自分のみ。スタッフのみんなは僕の期待や制限のなか
で考えていたように思います。これでは、「内発的動機」は生まれません。
数年前から本気で社員さんに仕事を任せて自ら考え行動することで成長する
ことこそが本当に大切なものなんだと気がついてきます。それまで全て自分で
何かをはじめ、何でも知っていなければ気が済まなかった自分を少しずつ
改めていきました。
当時進めていたブランディングという会社全体での取り組みを担当者に任せ、
なるべく口を挟まないようにしました。それまでなかなか行動が伴わないと
思っていた彼が、自ら考えていろいろな企画を実行に移し、今では本当に
やりがいや誇りを持って仕事をするようになりました。採用に関しても、
お店のイベントや接客に関しても、任せたら任せる程、みんなイキイキと
頑張ってくれます。朝礼や会議にも参加しなくなってもう何年も経ちます。
最初の頃はうまくいかず、なかなか歯がゆいところがありましたが、1〜2年も
すると、いろいろと工夫を重ね、参加者全員がどのようにしたら力を発揮
できるかなど実践して少しずつ改善してるように思います。
ただ、ことが進むのが遅かったり、なかなか成果に結びつかなかったり、
僕が思うようにはなかなかうまくいきません。しかし、その時に口を挟まず、
見守ることが大切だと自分に言い聞かせています。実際にはいろいろと
口出ししてるかも知れませんが、意識して彼らの意見を大事にしています。
任せたらそれっきりではなく、見守ることも大切にしています。毎月の目標
設定用紙の記入と面談、日誌を共有して必ず感じたことを返信し、何か
頑張ったことがあれば、ありがとうハガキを書いて自宅に届けています。
ひとつひとつの小さなことを大切にして、スタッフたちとの思いの共有には
時間をかけています。
僕は一人前の子がもっと出来るようになることより、半人前や何か自分に
自信を持てない子が周りの仲間やお客様からの支えによって一人前に近づいて
いく姿の方が好きなようです。精神障がいをかかえているスタッフが一人いて、
集配の仕事を頑張ってくれているんですが、はじめのころの実習では、朝は
苦手という事で週2日の10時出社でした。だんだんと「もっと仕事をして
みんなの役に立ちたい」と、今では週5回、出社は何と5時45分です。
もう見ていて、感動もんなんです。こんなことがちょくちょくあります。
少しずつ理想の会社に近づいてきてるんかなと感じたりします。
いろんなことを「判断」すると、ぶれることも多いですが、「人」との関わり
においては「決断」が必要なんだと実感します。「人の成長こそ、会社に
とって一番大切なこと」、このことを決断し、不器用ながらですが、
もっともっと良い会社を目指して、スタッフと共に頑張っていきます。
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