株式会社吉村

お世話になっている皆様へ

お世話になります。
吉村の橋本です。

第8回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞で「中小企業基盤整備機構理事長賞」を受賞しました。

坂本先生の「日本で一番大切にしたい会社」を読んで、経営者として何を大事にすべきかがぐーっと腹に落ちた瞬間を、今でも鮮明に覚えています。

社員 という 名前の 人はいない。
みんな という 名前の 人はいない。
一人ひとりにちがう名前のあるように
一人ひとりは 価値観も 性格も ちがう 粒つぶ。

社長という役割を担って12年間、コツコツと取り組んで来たことは

私個人の力ではなく、価値観も性格もちがう社員が経営理念をめざし、心と知恵を合わせてくれたおかげだと感謝しています。

この受賞を大きな誇りに 一人ひとりの紡ぐ吉村という会社での人生がもっと幸せなものであるように 取り組んでいきます。

ありがとうございました。

2018年3月1日 株式会社吉村 橋本久美子

今年から初めてとなる賞だ。中小企業基盤整備機構の皆様に感謝したい。

中小企業基盤整備機構理事長賞

1)企業の概要

(1)企業名 株式会社吉村

(2)所在地 東京都品川区

(3)主事業 食品包装資材の製造・販売

(4)代表者 橋本久美子社長

(5)設立年 1967年

(6)社員数 228名

2)主な受賞理由

(1)価格競争を避けるため、小ロットの日本茶ラミネート茶袋に特化するとともに、茶業者(農家・問屋・茶専門店)と一体となって日本茶の魅力を海外や若者に訴求している経営姿勢は傾注に値する

(2)社長は社長という仕事を行う社員と評価・位置付けし、社長はもとより全社員の「さん付け」を行っている

(3)全社員、とりわけ子育て中の女性社員への配慮が厚く、結果として12年以上、出産退職はゼロである

(4)全社員の誕生日には、図書カードと社長からの手書きのメッセージカードをプレゼント

(5)障がい者雇用に熱心に取り組んでおり、現在の雇用率は4.0%と高い

お茶屋さんが繁盛するためにできるすべてのことを
株式会社吉村 代表取締役社長 橋本久美子
1932年、品川で祝儀用品の加工販売業としてスタートした株式会社吉村。
その半世紀を超える歴史においては、日本茶を主とする食品包装資材の企画製造販売を一貫して行うメーカーとして、茶袋づくりの歴史を牽引。
現在では三代目の橋本久美子社長のもと、パッケージのデザインにとどまらず、VMD(お客様が売場に興味・関心を抱き、売場を回って、商品を選んで、理解して、買うシーンを想定した売場づくりの手法)、日本茶の販売にまつわる幅広いサポートを通じて、日本の伝統食品の「消費のパイを広げる」お手伝いをしている。
今回の取材では、父である先代社長から指名され、社内変革の中心人物として、数々の挑戦を行ってきた橋本久美子社長に、挑戦の歴史と日本茶にかける想いを伺った。

伝統の継承と、未来への挑戦を可能にする革新企業の本質
社風
全社員でお客様に貢献する
現場からの声を集め、お客様に貢献していくことが吉村の文化だ。
顧客満足を常に追い求めている同社では、お客様と常日頃接している現場社員しか把握できないお客様のニーズや、製品を作っている現場社員の細やかな気づきを、顧客満足を高める上での重要な情報として位置づけている。
例えば、声を結集するための同社の取り組みとして「ノーベル起案」「カンファリスト式会議術」がある。
「ノーベル起案」では現場社員の個々人がお客様のために自分の現場の気づきを発信することを奨励している。
そして、更なる取り組みとして設けたのが、「カンファリスト式会議術」。
これにより会議で全員が発言できる会議形態を整えた。
このようにして、現場社員の意見を吸い上げ、形にしているのだ。
一人ひとりの気づきを全員の知恵にして、お客様に還元する風土がある吉村。
吉村の顧客満足度の高さは、現場社員一人ひとりの気づきに支えられているのだ。

独自性
お茶屋さんと共に成長・発展していく
「お客さんであるお茶屋さんのことを考えて、お茶屋さんがもっと繁盛するために行動するということですね」と吉村に語り継がれるDNAを話す橋本社長。
創業時はお茶を入れる紙袋から始まったが、「お茶屋さんが繁盛するために」という想いがあったからこそ、お茶の茶袋はもちろんのこと、店舗で使うのぼりやPOPなどの販促用品や贈答箱、包装紙、手提げバッグなどのギフト用品を提案するようになった。
そこに吉村の強みがある。
現状維持でなく、お茶屋さんと共に成長・発展していくのだ。
また、10年前に先代社長である父から社長を引き継ぎ、先代の際には主流だった大ロットの生産だけでは、お客様のニーズに応えられないという想いから、小ロットに力を入れるなど、様々な事業展開を成し遂げてきた。
それは、いつの時代においても「お客様を想う」という吉村のDNAを引き継いできたからこそである。
これは何年、何10年先であっても変わらずに引き継がれていくだろう。
お茶屋さんを想い、お茶屋さんと共に成長・発展していく。これが株式会社吉村である。

展望
お茶のカテゴリーを超え、「和食」のプラットフォームになる

お茶屋さんのビジネスパートナーとして、お茶屋さんをサポートしてきた吉村。
その同社が目指すのは、これまで培ってきた日本茶業界での知恵を生かし、日本茶のみならず、乾物や米など自社では扱っていないものを組み合わせて市場を作っていくこと。
つまり「和食」全体のプラットフォームになることだ。
意匠性の高いパッケージ作成や、細かい配慮を生かした販促施策の提案を通じて、「日本茶」という商品の付加価値を向上させてきた同社。
それが、日本茶そのものを売るサポートをするだけなく、日本茶を飲んだ際のホッとする豊かさや幸せを提案することへと繋がっていった。
今、和食を取り巻く環境を見ると、商品の付加価値向上が必要なのは日本茶だけでなく、乾物やお米をはじめ「和食業界」全体として必要とされている。
そのような状況において、「和食」をゆっくり楽しむ時間や、「和食」を通じて生み出される豊かな空間といった、物ではない価値を提供するための基盤となることである。

写真は同社のHPから。

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