破産すれば、2000人ほどの従業員が仕事を失うことも頭に浮かびましたね。
岡山市のセリオの壱岐社長から、スカイマークの佐山会長と会うので何が良くなっているかとの問い合わせをいただいた。
私は、がっちりマンデーで紹介されてから4回フライトして投稿しているので、コピペして送った。
さらに破綻前は社員の意見をトップが聞かなかったが、佐山会長は聞き社員が自主的にまとまって動けることとコメントをした。
それは一つの現象面であった。
夜、本質ではないかと思っていたことをネットから拾った。
・・・破産すれば、2000人ほどの従業員が仕事を失うことも頭に浮かびましたね。これは全力で支援をしなければいけないと。・・・
他の大手航空会社を再生したケースでは1万数千人をリストラしたて再建したので賞賛された。スカイマークの社員も俺も私も首かと不安になるが佐山さんはしなかった。
他の大手航空会社も一人もリストラをしんーなくても良かったかもしれない。
羽田では社員の家族にも説明をした。
社員とその家族を守る。
市江社長の骨をうずめる覚悟も大きいと思う。
すると、社員のやる気が上がる、家族の応援もある。
結果として、トップだけでなく社員がアイデアを出し実行しお客様も満足し口コミで広がる。
壱岐社長、実質上やとわれ社長で壱岐社長の本意でなく、多くの社員の首を切らざるをえなかったことがあり、その経験を生かしている。
ある会社から半年以上前に通告され、今月、その仕事が打ち切られる事業所がある。
打ち切られても新しい商品か市場か新しい売り方等に活路を見出して行くことを祈っている。
対談を読んで何度か涙した。
【対談】スカイマーク佐山会長が明かした再生の舞台裏、航空専門家・秋本俊二氏と語っ復活への道のりと「第三極」を守る意義
スカイマーク佐山会長(右)と航空ジャーナリスト秋本俊二氏
2017年4月24日カテゴリー:インタビュー, ニュース, 航空
2016年3月28日に民事再生手続きを終えたスカイマーク。
それから約1年が経過、2017年3月の搭乗率は90%を超え、搭乗者数は16ヶ月連続で前年同月比増、定時出発率と欠航率もトップクラスになるなど、運航品質を向上させるとともに業績も急速に改善させている。
今回、民事再生の立役者スカイマーク代表取締役会長の佐山展生氏と作家で航空ジャーナリストの秋本俊二氏との対談が実現。
話は民事再生申立ての舞台裏から成長に向けた未来図にまで及んだ。
「マラソンで言うとまだ10km地点」と言う佐山氏。「第三極の航空会社は絶対に必要」と話す秋本氏。二人が語るスカイマークとは――?
第三極の航空会社を守る意義を感じて再生支援
秋本俊二氏(以下、敬称略) 佐山さんは投資ファンドのインテグラルでこれまでいろいろな業種を見てきたと思いますが、その経験から航空業界は特別なものでしたか?
佐山展生氏(以下、敬称略) 業種によって同じものと違う部分がありますね。
経営という観点から言うと、従業員が楽しく一生懸命働いているかどうかが大切。
それは業種に関係ない。
航空業界は多くのお客様に毎日利用していただているので安全が一番です。
国土交通省といろいろなやり取りをしていかなければならない点も他業種とは違いますね。
秋本 航空に興味を持っていたというよりも、企業再生に熱意を持っていたということですか。
佐山 そうですね。インテグラルという投資会社は業種を絞っていません。
みんなといい会社をつくって、収益を上げていく仕組みづくりが仕事です。
我々がスカイマークを支援しなければ、実質大手2社だけになってしまう。第三極の航空会社を守ることに意義は感じていました。
また、破産すれば、2000人ほどの従業員が仕事を失うことも頭に浮かびましたね。これは全力で支援をしなければいけないと。
秋本 スカイマークの再生で、まず話題に上がったのがJALあるいはANAとの提携でしたね。
佐山 2014年12月9日にスカイマークの西久保さん(当時社長)と有森さん(当時常務取締役)に「どこかの航空会社となにかしらの提携があれば、投資します」と言いました。その後、スカイマークはANAとの交渉に入ります。
私は、両社は提携するのだろうと思っていたのですが、2015年1月13日に、井手さん(当時会長)、西久保さん、有森さんがインテグラルに来られて、ANAとの交渉はまとまらなかったとの報告を受けました。
それ以来連絡がなかったので、他の投資家を探しているのだろうと思っていたんです。
秋本 それでも支援に動かれた。その決断は早かったですね。
佐山 早いどころか、駆け込みのような感じでした(笑)。
2015年の1月23日ことですが、井手さんに電話をしてみると、「明日から清算の準備に入る」と言うんです。
1月末の資金繰りが苦しいのは分かっていたし、そこで資金が入らなければ破産することも分かっていた。
2015年当時を振り返る佐山会長
スカイマークはA330やA380を発注していましたが、井手さんたちと話しているなかで、B737だけだったらビジネスは回ると確信していました。
だから、「清算はないですよ。すぐに民事再生の申し立てをしましょう」と言ったのが、その日の夜8時くらい。10時には両社で電話会議をしました。
翌日、羽田のスカイマーク本社にインテグラルから5名、弁護士、会計士が集まり、3日間缶詰状態で経営状態を精査しました。
そのときに、24日の夜の時点では、「29日の民事再生には間に合わない」ということでした。
それでも、共益債権と再生債権の仕分けをして、どれくらいの債権を払わなければいけないのか、民事再生をした場合の客離れや退職者数を想定し、申し立て後の収益の予想や何便飛ばせるかをシミュレーションしてみたところ、26日には「90億円の融資があれば乗り切れる」という結論に達しました。
でも、正直なところ、その時点で再生に100%の自信はありませんでしたね。
どんなことが起こるか分かりませんから。長年の経験から「いけるだろう」と。
秋本 現在、インテグラルとスカイマークでのお仕事の割合は?
佐山 90%がスカイマークの仕事ですね。頭の中は95%ですが(笑)。
秋本 実際にスカイマークの経営に携わるようになって、航空業界は面白いですか?
佐山 面白いですね。投資ファンドのインテグラルを立ち上げましたが、実際に投資先の経営に関わったことはなかった。
今回はじめて、自らの時間のほとんどを割いて、スカイマークの経営に関わっている。新鮮な体験ですね。
2015年9月29日に新体制になって以降に学んだことは、それ以前のキャリアで学んだこと以上。
経営に対する理想はありましたが、事業会社の経営に実際に携わったことはなく、お客様商売も初めてだったので深い経験をさせてもらっています。
不安から希望に、社員の表情もいきいきと
秋本 当初、社員たちには相当な不安があったでしょうね。
佐山 民事再生の申し立てを行った後に、地方の空港施設や全支店を回って、社員に説明したのですが、「人間はこんなに不安そうな顔になるんだ…」と思いましたね。
鹿児島空港支店でのことですが、ある社員が「人員削減や給与カットがあるのですか」と質問してきたのです。
私はそれまでも「それはしない」と言ってきたのですが、「まだ伝わっていない」と認識しました。
それ以来、「A330とA380を契約解約して、B737に統一すればビジネスは回るので、むしろ辞めてもらっては困る」とまず説明するようにしました。
東京では、羽田空港で社員のご家族も呼んで説明会を行いました。
そのとき、勇気づけられたのは、スカイマークの応援歌を手がけてくれた歌手の大黒摩季さんがビデオメッセージをくれて、その歌を歌ってくれたんです。
大黒さんもちょうど病気からの再生を頑張っているときでした。それは感動的な光景で、今でも思い出すと、うるっときますね。
秋本 ご家族への説明会はすごく効果があったのではないですか?
佐山 おっしゃるとおりですね。いくら社員が家で「大丈夫」だと言っても、民事再生なんて初めとのことだから、納得できる説明ができるはずがない。
直接説明したのは、よかった。皆さんの表情も、説明会のはじめと終わりとでは全然違いました。
また、政策投資銀行から来た市江社長が説明会で社員に向かって、「私は銀行を辞めてきました。骨を埋める気持ちで来ました」と宣言したのも大きかった。
それで社員のなかに安心感が生まれたのではないかと思っています。
秋本 私も新生スカイマークを利用したり、取材もさせてもらいましたが、社員の顔つきも変わっていきましたよね。
「こんなに生き生きとするんだ」という印象を持ちました。
佐山 やはり心持ちは顔にでますね。誰でも一番見えていないのは自分の顔。自然にしている顔は自分では見えない。
最初はその不安な心持が表情に出ていましたが、方向性が見えてきて、結果が出てくると表情が変わってきましたね。
以下は、スカイマークにより2015年3月に公開された動画。音楽は大黒摩季さんが担当。
スカイマーク – TAKE OFF SKYMARK CheerUp ↑ Ver.(Youtube:約6分)
前編はここまで。後編では、第三極の航空会社として前進するスカイマークの未来について。国際線への意欲やANAとの関係性が熱く語られた。
対談を読んで涙が何度か出た。
【対談】スカイマークが描く未来図とは? 佐山会長が語った国際線への意欲からANAとの関係性まで
スカイマーク佐山会長 × 航空ジャーナリスト秋本俊二氏(後編)
機材をB737-800に統一し、再生を図るスカイマーク。当面の目標は2020年の上場だ。
社員からアイデアを募り、新しいサービスも続々登場。
今年中には国際線チャーターを目指し、将来的には機材拡大も視野に入れる。
佐山氏と秋本氏の対談、その後編では、第三極の航空会社として前進する新生スカイマークの未来について熱く語り合った。
定時出発率、欠航率トップクラスも「マラソンで言うとまだ10km地点」
スカイマーク佐山会長(右)と航空ジャーナリスト秋本俊二氏による対談の模様
秋本俊二氏(以下、敬称略) 1990年代末、日本国内では規制緩和で新しい航空会社4社が生まれましたが、大手は重複する路線に露骨な料金値下げをしました。
結果的に、3社はANAの傘下に入ることに。そのなかで、スカイマークだけは独立系として頑張った。やはり第三極がないと運賃の高止まりが起こってしまいますよね。
佐山展生氏(以下、敬称略) そのとおりですね。
たとえば、米子、仙台、宮古、石垣から撤退すると、その路線の運賃は途端に上がった。
そういう意味でも第三極の存在価値は大きいと感じています。
秋本 現在はB737で国内9都市に飛んでいますが、かつての元気なスカイマークに戻ったと感じています。これからが楽しみですね。
佐山 マラソンで言うとまだ10km地点ですね。2016年度はいい結果を上げることができ、ボーナスも3回出すことができました。
今年4月1日からは人事体系も変えて、新たにスタートします。足場固めはだいぶ進み、次のフェーズに来ていると感じています。
運航面で言うと、2016年度上半期で定時運航率は90%以上でトップ3に。欠航率は0.55%で最も欠航しにくい航空会社となりました(国交省発表、国内航空11社ランキングによる)
現在B737-800型26機のうち2機は予備機にしており、天候は仕方ありませんが、機材の不具合による欠航は避けるスケジュールを組んでいます。
そのなかで、高い搭乗率を維持しており、直近の3月も90%を超え、ほぼ満席の状況です。搭乗者数は16ヶ月連続で前年同月比を超えています。
今後も欠航率トップは維持していき、定時運航率でも日本一を目指していきたいと思っています。
秋本 特にビジネス客には、余計なサービスはいらないから、時間通りに出発して時間通りに到着して欲しいと思っている人は多いです。
佐山 私はよく神戸に行きますが、結構、満席が続いている。
市江社長を本部長に定時性向上対策本部というものをつくり、パイロット、CA、地上なども含めて、遅れの原因を追求してきました。その積み重ねの結果だろうと思っています。
秋本 最終的には現場のやる気なんだろうと思いますね。
どの会社も定時出発率は高めたいが、トップダウンではなかなかできない。現場が先読みしてアクションを起こすことが大事ですよね。
まだまだ高いポテンシャル、路線認知度向上がカギ
秋本 まだまだスカイマークを知らない人もいますね。その分、伸び代はあると思うんですが。
佐山 弊社の市場調査によると、再生でメディアにもたびたび登場したので99%以上の人がスカイマークのことを知っている。
しかし、ドル箱の羽田/福岡線を飛んでいるのを知っているのは7割で、3割の人がまだ知らない。
北海道での羽田/新千歳線の認知度についても同じ程度です。
ここにポテンシャルがある。また、搭乗率が高いために、乗りたいのに乗れない人もいる。ここもポテンシャル。さらに、訪日外国人旅行者もポテンシャルだと思っています。
秋本 スカイマークの運賃であれば、飛行機を利用して旅に出てみようと思う人はまだまだいると思うんです。そういう人たちが乗り始めると、業績もさらに上がりますよね。
佐山 たとえば、2年前、茨城空港からの撤退の話もありましたが、茨城県のサポートもあり県内での認知度が上がり、搭乗率も高くなった。
羽田までは遠いので飛行機での移動を避けてきた北関東の需要を取り込めたのです。
首都圏でさえも、新生スカイマークに乗ったことがある人はたった1割。
約3割が昔のスカイマークは乗ったことがある。6割が乗ったことがない。
私はいつも時刻表を持ち歩いて、皆さんにお見せするのですが、ほとんどの人が言うのは「こんなに飛んでいるんですか」。
1日130便以上飛んでいることをご存じない。
知らないから乗らないというのが大半なのです。まずはこれを変えていきたい。
秋本 LCCの運賃は安いですが、遅れても文句は言えない。荷物で追加料金も取られる。スカイマークはそういうことはないですよね。
佐山 スカイマークは手荷物20kgまでは無料。
欠航した場合の保証もしっかりしています。そうしたフルサービスに加えて、大手より約4割安い運賃を考えると、選ばれないわけがない。
その点で言うと、コスト意識の高い会社とは法人契約をしてもらっています。
いずれは、スカイマークを利用すれば、かなりのコストダウンができると気づく会社も増えくると思います。そこも需要のポテンシャルになりますね。
大手を利用する理由のひとつとしてマイルを挙げる人も多いですが、スカイマークでも顧客の囲い込みについて検討しています。
「タカガールジェット」で福岡県民にアピール
秋本 認知度向上の戦略のひとつが「タイガースジェット」や「ヤマトジェット」、今年5月から就航する「タカガールジェット」なんでしょう。
佐山 福岡県民の3割が(スカイマークの)羽田/福岡線を知りませんが、タカガール(※)を知らない人はいない。
ソフトバンクホークスは大手2社ともスポンサー契約していますが、他の球団との関係でホークスがらみの飛行機は飛ばせない。スカイマークだからこそできる企画ですね。
※タカガールとは、プロ野球球団「福岡ホークス」を応援する女子のこと。
ピンクを基調にしたファッションで、九州のトレンドのひとつになっている。
「タカガールジェット」の機体塗装イメージ(提供:スカイマーク)
秋本 タイガースジェットは機長の発案でしたよね。それ以外に社員の提案から社内改革で実現したものはありますか。
佐山 新体制で経営理念の議論をしたとき、客室乗務員になりたい人はポロシャツではなく、やはり制服を着たいだろうという話になり、デザインを社内公募したところ40ほどのアイデアが集まりました。
そのなかから、ひとつに絞って、ユナイテッドアローズに監修いただいた。2016年11月12日の創立20周年から着用を始めました。最近は「ミニスカートの航空会社ですか」と言われなくなりましたね(笑)。
国際線へも意欲、フリート拡大で国内路線網の拡大も視野に
秋本 支援の過程のなかで、国際線進出への期待からデルタ航空と組むべきという話もよく聞きました。今後、国際線への意欲はいかがですか。
佐山 今年中にまず国際線チャーター便を飛ばしたいです。定期便もできたら来年度にやりたいと思っています。
そして、2020年度の羽田増枠では国際線枠の配分をできればお願いしたい。アライアンスについては、スカイマークにとってプラスになれば前向きに考えていきたいと思っています。
来年から民営化される神戸にも期待しています。将来的には運用時間制限が緩和されれば、神戸から海外という手もありますね。民営化されれば、利用者の視点から改善も進んでいくのではないかと期待しています。
秋本 国際線でもB737-800で飛べる距離になりますか?
佐山 最初はそうなるでしょう。ただ、LCCと同じ路線は面白くないですよね。将来的に大型機を導入することはないでしょうが、B737の最新型については議論にのぼっています。
秋本 地方が伸びないと、ビジネスも拡大していきません。国内の就航地拡大についてはいかがですか。
佐山 それも議論しているところですね。今の26機体制では、仙台を復便するのがやっと(2017年7月1日から仙台/神戸復活)。すでに将来の機材計画の検討に入っていますが、
機材が増えたときには、路線網拡大も視野に入れています。神戸や茨城の利用時間が伸びれば、増便もありえると思います。
秋本 共同スポンサーでもあるANAとは、今、どんな関係になりますか。
佐山 我々は、コードシェアをしないとは言っていません。ただ、予約システムには入りません。入らなくてもコードシェアはできます。これは大きな違いです。
コードシェアは簡単ではありません。現在スカイマークの搭乗率も高いですし。今は難しいですが、将来お互いに合意できるところはあるのではないかと思っています。
一方で、ANAには機体整備で大きな力になってもらっているほか、客室、マーケティングでもいろいろなノウハウも頂いています。
今年1月に行った社内アンケートでは、ANAからの出向者への評価は非常に高かった。これは嬉しかったですね。
秋本 現在はマラソンで言うと10km地点だとおっしゃいました。これからの道筋をどのように描いていらっしゃいますか。
佐山 まず安全はすべてに優先します。次に、定時出発率にもこだわりたい。
さらに低価格も譲らない。そのうえで、もう一回乗りたいと思ってもらえる楽しいサービスを提供していきたいと思っています。
今年度は125名の新卒者を採用しました。来年度以降も安定的に採用したいと考えています。
パイロットの自社養成も進めていきます。経営的には、2020年の上場を目指していきます。そこがひとの区切りになるでしょう。
上場は収益が上がっているだけではダメで、そこに成長性や夢が必要になってきます。現時点では、次の飛躍に向けた戦略はまだ足りないと思っています。
写真はネットから拾った。
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