坂本光司先生の6月のタイ、チュラロンコン大学での講演から。最終回。
人を大切にする経営学会の会長であり人財塾長の坂本光司先生の6月のタイ、チュラロンコン大学での講演から。最終回。
自社はどうなのか、身近な企業を3社をチェックすることをお勧めしたい。
1.5人を大切にする経営とは
(1)社員とその家族
①社員とその家族の命と生活を守る経営
②人員整理をしない
③長時間残業をさせない
④社員にノルマを課せない
⑤社員間の過度な競争をさせない
⑥適正賃金をし払う
⑦福利厚生を充実する
⑧社員に十分な教育機会を与える
⑨正しい経営をする
⑩大家族的経営をする
⑪働きがいを高める
(2)社外社員とその家族
①理不尽な取引を強要しない
②適正単価で発注をする
③対価は現金で決済する
④締め後の支払いは20日以内
⑤流れている仕事を競争見積もりをしない
⑥季節商品と言えども安定発注に努める
⑦仕入れていた仕事を一方的に内作化・転注化しない
(3).現在顧客と未来顧客
①義務サービス・当然サービスをしない→期待サービス・感動サービスをする
②販売目的の営業をしない
③クチコミ・紹介客を増やす
④リピーター率を高める
⑤サンキューレターを増やす
⑥クイックレスポンス
⑦納期遵守率・品質保証率が99パーセント以上
⑧顧客の幸せを重視した経営
(4)地域住民とりわけ障がい者等社会的弱者
①障がい者雇用をする(正社員・賃金)
②仕事を障がい者に合わせる
③障がい者のために仕事をつくる
④障がい者施設に発注する・購入する
⑤高齢者を雇用する
⑥地域貢献・社会貢献をする
2.5人の中で最も重要な人は社員とその家族である
①ES(社員満足)なくしてCS(お客様満足)なし
②家族の支援無くして本領発揮などできない
3.超優良企業とは
(1).業績から見た4つのグループ
①超優良企業 好不況を問わず黒字どころか、その利益率は5パーセント前後以上ある
②優良企業 好不況を問わず黒字企業
③普通企業 景気連動型企業、黒字・赤字繰り返し企業
④限界企業 万年赤字企業
(2)超優良企業の条件
①過去10年以上希望退職者を募ったことはない!
②過去10年以上社員の数が維持または増加している
③過去10年以上売上高対営業利益率が5パーセント前後以上である
④過去10年以上法令順守している
⑤過去10年以上社員の転職的離職率が3パーセント以下である
⑥過去10年以上仕入先に理不尽な取引を強要したことがない
⑦過去10年以上社員一人当たりの残業時間は10時間程度以下である
⑧その他
4.超優良企業には20の法則的特長がある
①業績・成長企業追求経営→幸せ追求経営
②一方良し経営→五方良し経営
③自利経営→利他経営
④急成長・急拡大経営→年輪経営
⑤景気依存経営→景気創造経営
⑥アンバランス経営→バランス経営
⑦価格競争経営→非価格競争経営
⑧ワンマン経営→総力経営
⑨上位下達的経営→下位上達的経営
⑩閉鎖的経営→開放的経営
⑪個人戦経営→チーム経営
⑫成果主義型経営→年功序列型経営
⑬公私混同経営→公私区分経営
⑭ピラミッド経営→逆ピラミッド経営
⑮やり方重視経営→あり方重視経営
⑯短期決戦型重視経営→長期重視経営
⑰長時間労働経営→短時間労働経営
⑱管理型経営→大家族的経営
⑲ハード重視経営→ソフト・人重視経営
⑳他力本願経営→自立化経営・独立経営
5.日本の代表的超優良企業
①富士メガネ
②伊那食品工業
③日本理化学工業
④コーケン工業
⑤柿の実幼稚園
⑥中村ブレイス
⑦但陽信用金庫
⑧徳竹産業
⑨ラグーナ出版
⑩琉球補聴器
6.超優良企業を増加させるためにはどうしたらいいのか
(1).大学
①業績重視の経営学から幸せ重視の経営学を教える
②人を大切にする経営大学院大学または研究科の開学
③中小企業経営大学院大学の開学
④人本経営学の配当
(2)行政
①タイでいちばん大切にしたい会社大賞の創設
②人を大切にする企業への特典
③人を大切にする企業の紹介
(3)金融機関
①融資基準を変える
②投資基準を変える
人を大切にする経営学会
中部支部
知野 進一郎
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