視覚障碍者授産所ウイズの歩みと想い~中部支部視察会「六星」報告(その2)~
おはようございます。中部支部事務局の諸戸です。
本日は、10月11日に開催されました中部支部の企業視察会について投稿いたします。
前回(10月14日投稿)に続き、静岡県の六星さんの訪問記を投稿します。
今回は、
・六星さんが運営する視覚障碍者授産所ウイズの歩みと想い
をお伝えしたいと思います。
http://npo6seiwith.sakura.ne.jp/
1.ウイズの想い
ウイズは、平成8年4月に、全国で初めての視覚障碍者中心の小規模授産所としてスタートしました。
名前のウイズは、英語のWITHで、一緒にという意味です。
つまり、視覚障碍者も一般の人たちと「一緒に」生活を楽しもうという理念が込められています。
視覚障碍を発症すると、外出が困難になるため引きこもりがちになり、健全な社会生活が営めなくなってしまいます。そこで、ウイズでは、外出して公共交通機関を利用したり、歩行したりする訓練もしています。
これを視覚障碍リハビリテーションと呼びますが、作業所とリハビリテーションを同時に提供することにより、視覚障碍者が社会で安心して、また、楽しく生活できるようにしています。
今では、蜆塚と半田の2か所で50名以上の方が通所しています。
2.ウイズの仕事
ウイズの仕事は、モノづくりです。
視覚障碍者の白い杖やラベンダーのポプリ等の小物などの製造、自治体の広報誌・名刺・トランプなどの点字印刷をしています。
中でもメインは何と言っても点字印刷です。
今では、点字印刷のコンピューターがあり、プログラムを組むことで自動印刷できるものもありますが、決まった大きさの印刷物でないと、対応ができないそうです。
そこで、ウイズでは、コンピューターではできないサイズの印刷物を中心に受注し、製造しています。差別化ですね。
ウイズがスタートした時、マスコミ関係者が取材に訪れました。その時、彼らから
・ウイズはどんな仕事をしていくつもりなのか?
という質問があったそうです。
それに対して、斯波理事長は、こう答えたそうです。
・ウイズの第一の仕事は名刺に点字を入れる仕事です。名刺を置いていってくれれば1枚10円で点字を入れます。
そこからウイズの仕事がスタートしました。
今でも名刺の点字印入れウイズのメイン業務となっています。
100枚単位で受け付けていますので(@10円×100枚で1,000円)、是非、名刺の点字入れをウイズに依頼していただきたいと思います。下記のメールアドレスに問い合わせてみてください。
with-shijimi2008@ab.auone-net.jp
3.今後の活動
視覚障碍者向けの事業所は、まだまだ数が少ないそうです。
斯波理事長は、これを広げるため、日本国内で事業所開設の希望があれば、相談に乗るなどしてサポート活動をしています。講演も各地でされています。
その活動は世界に広がっていて、スリランカやパキスタンでも事業所開設や視覚障碍者支援の法律整備のサポートもされています。
点字は、六つの点で一つの文字になります。
ウイズを運営する「六星」の名前は、日本点字の翻案者である石川倉次氏の「六星照道」に由来しています。六星照道とは、
・六つの星が視覚障碍者の生きる道を照らす
という意味とのことです。
斯波理事長は、ウイズのような事業所がもっと増えて、視覚障碍者の生活が豊かになることを希望しておられます。積極的に「拡散」していただいて、六星さんの存在や活動を広く世間に知らしめていただければと思います。
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