~中部支部視察会報告「たこ満」~


おはようございます。中部支部事務局の諸戸です。

本日は、10月11日に開催されました中部支部の企業視察会について投稿いたします。
視察会では、六星さんとたこ満さんを訪問させていただきました。

前回までで六星さんについては報告しておりますので、今回は、
・たこ満さんのすばらしいおもてなしはなぜ実現したのか?
をお伝えしたいと思います。

たこ満さんは、静岡県で多店舗するお菓子屋さんです。
https://www.takoman.co.jp/
ケーキやスポンジ菓子、おせんべいなどを主としてロードサイドの独立店舗で販売しています。地元銘菓ですから、静岡駅などの主要駅でも購入できます。静岡県で愛される人気のお店です。

愛されるのは、お菓子をおいしさだけではありません。店舗スタッフの接遇のおもてなしのレベルが高いのも愛される理由です。
地元では、
・お嫁にもらうならたこ満の娘さん(お店の店員さんのことです)
と評判です。

なぜ、そこまで高いレベルのおもてなしが提供できるのか?
今回の視察会では、その秘密を伺うことができました。

1.新人教育
新入社員には、まず社会人としての心得や、たこ満の心得、たこ満流のマナーなどの教育が行われます。新人のほとんどは、高校を卒業したばかりですから、社会経験もなく右も左もわかりませんので、基礎から徹底的に教育します。店舗で来店客に提供されるお茶出しも6つのパターンを練習します。お客様の状況に合わせてお茶の出し方も変わるんですね。

また、店舗に配属されると、先輩社員がコーチ役として教育係を務めます。
先輩社員は1~2年程度先輩の社員がつきます。先輩社員はたこ満の理念をしっかり身に着けた社員が担当しますので、たこ満が大事にするものがしっかりと引き継がれていきます。
また、先輩社員の指導は、トレーナーと呼ばれるベテラン社員が行います。主に店長が務めるそうです。こうしたOFFJTやOJTでたこ満流のおもてなしが定着していきます。

2.経営計画書
経営計画書はアルバイトを除く社員に配布されます。A4サイズのノート形式になっています。計画書には、経営理念や心得が書かれています。各店舗や部門の方針や目標も載っています。そのあとのページには、自身の目標を書き込む部分があり、定期的にその目標に対する振り返りを記入するスペースもあります。振り返りを記入すると、それは店長や社長にまで回送され、店長などからコメントが記入され本人の元に戻ってきます。
顔を合わせた面談もこれをもとに行われます。社員が380人もいますから、コメントを記入する社長は大変です。
経営計画書を作成し配布する企業は多いと思いますが、たこ満さんは配布するだけでなく、面談などのコミュニケーションツールとしても活用しています。

3.ありがとうカード
ありがとうカードは、名刺サイズの2枚複写になっています。同僚、先輩、スタッフなど周囲の人に、感謝の気持ちを伝えるためのカードです。
なぜ、複写になっているのでしょうか?
以前は、複写ではなく1枚だったそうです。
1枚だと、カードを記入して相手に渡すとそれで終わり、となり、なかなか広がらなかったそうです。
そこで、複写式にして、1枚は相手に渡し、複写の1枚は、自分の経営計画書に貼り付けるやり方に変えました。
すると、やりとりされるカードが増加、交流が活発になったそうです。
ありがとうカードの記入数も目安を設けていて、もらうカードよりあげるカードの枚数目標の方が高くなっています。
店舗運営などは、1人でできる仕事ではないので、チームワークを重視しています。ありがとうカードはそれを実現する強力なツールになっています。

4.継続
これまでご紹介したような「やり方」は実施している企業も多いと思います。
では、やり方を真似すればたこ満さんのようなおもてなしができるのか?
答えはノーです。
たこ満さんも、ここまでのレベルになるまで10年かかったそうです。
開店当初は、高卒の新入社員とけんかばかり。こんな状態ですから、離職率も高かったとのことです。それでもあきらめずに、継続しつづけたからこそ、今のようなたこ満になることができたとのことでした。

今回、中部支部としては初めての試みとして企業視察会を開催しました。
今後もフォーラムや視察会を定期的に開催してまいりたいと考えていますので、みなさんの参加をお待ちしております。

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