相思相愛で「いい会社をつくりましょう」
11月の人財塾が開催、今回のリレー実践経営学の講師は、伊那食品工業株式会社 代表取締役社長 井上修氏でした。いつも素晴らしい出会いと多くの学びに恵まれる、月に一度のお楽しみではありますが、「個人的に」今月は特に楽しみにしていました。
楽しみにしていたのは、同社が年輪経営で日本の名だたる大企業からも注目されているからでもなく、第8回「日本でいちばん大切にしたい会社」中小企業庁長官賞を受賞されたからでもありません。あえて個人的に、と申し上げたのは、伊那食品工業株式会社(以下、伊那食品)の家庭向けブランド「かんてんぱぱ」の大ファンだからです。
私が経営を学ぶ機会を得たのはこの人財塾からなのでせいぜい半年ですが、伊那食品のかんてんぱぱは、信州で暮らした15年以上前から1消費者として大好きなのです。当時は直販のショップに月一で通って、スープ寒天や子供たちの大好きなプリンの素などを購入していました。これら商品は長野県ですとどのスーパーにも置いているのですが、直販のショップで購入するとサンプルとしていろいろなおまけをつけてくれるのも嬉しくて。新しい商品もハズレがなくて、いつも試すのが楽しみでした。「かーんてんぱっぱ♪」という当時のローカルCMが懐かしい。
そして最新の通販カタログを拝見して驚きました!首都圏に出てきて定番商品しか買えなくなってしまっている間に、ラインナップ数が激増。一方変わらないのはそれらがハズレ無しの買いたい商品ばかり、ということで、まずはどれを注文しようか困りながらワクワクしています。
伊那食品の売上のうち家庭用は約3割とのことですが、マーケットのwantをくすぐる圧倒的な商品開発力を実感した出来事でした。
そのように1消費者として注目してきた会社を、経営という視点から学ぶ不思議な縁を感じています。人財塾では、さまざまな経営者からの講演を拝聴するだけでなく、坂本先生がご紹介くださる山ほどの素晴らしい企業を(ごく一部ですが)、グループや個人で研究し、互いに学びを共有しています。
ここでの学びの一つが、いい会社には必ずコアなファンがついている、ということです。「ファン」は基本的にはユーザーなのですが、いい会社では社員も会社のファンなのですね。伊那食品はご存知の通り掃除を大事にしている会社ですが、それが社員の自発的な行為に支えられているのは、まさに社員が伊那食品のファンなのでしょう。そして井上社長は、このような心優しい社員さん達のファンなのだな、というのが、実は今回一番の気付きです。
人を大切にする経営人財塾 橋本 和世
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