望 水

野口具秋です。

お金はないが時間はタップリあります。
みんなは6時頃の到着です。早々と家を出ます。
東海道線と伊豆急を乗り継いで、伊豆北川温泉郷「望水」にお泊りです。
高級旅館に泊まるのは記憶にないくらい遠い。
経済雑誌、お茶、お弁当を仕入れます。
バッグは期待で一杯に膨らんでいます。

大震災のために伊東まで行くことになります。
車窓から見え隠れする春欄満の穏やかな海景色が流れます。
どの高さまで津波は来たのだろか。
空いている車内、若い外国人カップルと目が合いました。
「ANZEN(安全)?」と尋ねられました。
力強く「NO PROBLEM」と返事してさしあげました。

北川駅は嬉しくなるほど寂しい駅でした。
春の陽光だけが歓迎してくれます。
10分ほどの九十九折りをのんびりと下って行きました。
行き交う人は全くなく、軽トラックが数台徹りぬけていきました。
道端に茂る小ぶりの柑橘物を数個摘む。
ゆったりとした空気が足を遅めます。

玄関に着きました。2月以来です。早い到着です。
ロビーで時間を潰せばいいさ。
遠く大島が見える。「アンコ椿は恋の花」でも唄いたい気分です。
振り返ると、社長の近藤さんが
「野口さん、よくいらっしゃいいました」と、
にこやかに声をかけてくれました。
引き込まれそうな笑顔に、期待がより一層膨らみました。

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