新しい資本主義の萌芽
今月号の「Harvard Business Review」(ダイヤモンド社)はマイケルE.ポーターの特集です。私もゼミ生の亀井(省)さんから教えてもらったのですが、その中のポーターの最新論文「共通価値の戦略」は、社会的価値と経済的価値の一致を提唱しており、新しい資本主義の到来を予感させてくれます。
これからの時代の経営マネジメント(企業と社員・取引先・顧客・地域住民・株主の関係性など)を考える上でヒントになることも多いと思うので、こっちの分野にもアンテナを張って研究を進めたいと思います。皆さんもいろいろなアンテナをお持ちだと思うので、ゼミの飲み会のときでも是非教えてください。
【以下Harvard Business Reviewホームページより抜粋】
「共通価値」(shared values)という概念は、経済的価値を創出しながら、社会的ニーズに対応することで社会的価値も創出するというアプローチであり、成長の次なる推進力となるだろう。GE、IBM、グーグル、インテル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ネスレ、ユニリーバ、ウォルマートなどは、すでに共通価値の創造に取り組んでいるが、まだ端緒についたばかりである。共通価値がもたらすチャンスを見極める方法は、「製品と市場を見直す」「バリューチェーンの生産性を再定義する」「事業を営む地域に産業クラスターを開発する」の3つである。これまでの資本主義の考え方は、「企業の利益と公共の利益はトレード・オフである」「低コストを追求することが利益の最大化につながる」といったものであり、依然支配的である。しかし、もはや正しいとはいえず、また賢明とは言いがたい。共通価値の創造に取り組むことで、新しい資本主義が生まれてくる。
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