街の風景
野口具秋です。
比較的空いている電車にゆったりと腰かけます。
週末の昼どきの電車はのんびりした空気が流れています。
白い杖を持った方が乗り込んで来ました。
扉の傍に立っています。
私の務めが席に案内することと気が付くのに10秒程要しました。
気持ち良さそうに座り、すっかり寛いだ様子です。
教室の配置をゼミ用に並べ替えるために3階に降りていきます。
昼食を一緒した白石さんが手伝ってくれます。
研究仲間で6年一緒です。優しい心の持主です。
手際よく、イスを積んで机を並べていきます。
来週以降のために目印のビニールテープを
床に丹念に、丹念に張り付けてくれました。
多量の資料で久しく手が千切れそうです。
突然ドサッと床に資料が散乱しました。メトロの中です。
急いで袋に入れます。底が破れています。
慌ててもう一つのバッグに移します。
一杯で大きく膨らんでいます。
スッとミッキマウスのビニール袋が差し出されました。
膝をついたまま振り返ると若い女性でした。
少し遠回りでも信号機のある交差点を使うようにしています。
横断歩道の横断用の黄色の旗がいつの間にか1本もありません。
手を高く上げると、大型トラックが停車してくれました。
道路の真ん中で反対を確認します。
真っ赤な乗用車が加速してもの凄い速度で走り抜けていきます。
死の恐怖を覚える瞬間です。
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