企業の経営資源は「ヒト・ヒト・カネへ」
●幸福感をもたらす源泉とは
9月13日に開催された「人を大切にする経営学会」では、学会事務局長の藤井正隆氏から「社員幸福度指標の研究」について基調報告がありました。
その中で紹介されていた書籍「幸福の資本論」(橘玲著)が、人生における幸福感について鋭い分析をしていて、大変面白い本でした。
例えば、リア充でなくても、プア充、つまりお金が無かったとしても、幸福感に満ちて人生を謳歌する人達もたくさんいるのはなぜか。
その人の価値観もありますが、違いは何かを見出していった面白い本でした。
橘氏は、幸福感を決定づけるものがあり、それが
1) 金融資産(お金や不動産など)
2) 人的資本(仕事、その人の資質など、自己実現をもたらすもの)
3) 社会資本(友人関係や人脈、共同体や絆)
の3つの資本(人生のインフラ)であるとしています。
これら3つのインフラの多寡で、その人自身が幸福と感じられるかどうかが変わってくるというのです。
●企業にも当てはまる「幸福の資本論」
上の内容は、人に対しての幸福論でした。
しかし、これは企業にも当てはまりませんか?
企業の幸福とは、「取り巻く環境の変化に対応し、継続し、成長していき、関係者と一緒に幸せになること」だと考えます。
そうすると、必要なものは次の3つです。
1) 人的資本 (ヒト)
人財です。従業員らスタッフはもちろんです。そして、経営者自身の資質
も入ります。
2) 社会資本 (ヒト)
取引先、顧客、地域との関係、株主や金融機関とのパートナーシップ
など企業を取り巻く人達との関係性
3) 金融資産 (カネ)
お金だけでなく、企業が持っている不動産や、お金が形を変えている動産
など。
これまで企業の経営資源は何かと言われると
「ヒト・モノ・カネ」あるいは
「ヒト・モノ・カネ・ネットワーク」などと言われていました。
しかし、モノに対する価値が低くなっているなか、これからの企業の経営資源は
「ヒト・モノ・カネ」から「ヒト・ヒト・カネ」へと変わっているといっても良いのではないでしょうか。
人を大切にする経営学会人財塾二期生 有村 知里
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