コロナ禍で「絆」の輪を拡げよう

みなさん、こんにちは。人材塾3期生の斉藤任弘と申します。
東京・神奈川を営業エリアとする城南信用金庫に勤務しております。

信用金庫というと、限られたエリアで営業しているローカルな金融機関とのイメージが強いのではないでしょうか?確かに、本業においては信用金庫法により、各信用金庫は営業エリアを限定されておりますが、全国には250を超える信用金庫が存在し、現在は、全国の信用金庫のネットワークで、ビジネスマッチングをはじめ、地方の信用金庫のお取引先の商品を、ネット上で相互に販売したり、お取引先への紹介、週末には、弊庫各支店の駐車場等で、売上げ激減に苦しむ、地元飲食店のテイクアウトメニュー商品の販売とともに、地方の特産品の販売をするなど、年々、取引数、取引額も増加しております。
こうした取り組みのきっかけとなったのは、2011年3月11日に発生した東日本大震災と、その後の原発の放射能問題であるといえます。

当時、報道でも、被害の実態があまり伝わってこない時期に、営業エリアの大半を放射能汚染で立ち入り禁止区域に指定された信用金庫より、4月から入職予定であった新入職員の内定を取り消しにしなければならないので、弊庫で雇ってほしいとの連絡を受け、事の重大さに改めて気付かされたのは、いまでも記憶に新しい。
当然、無条件で全員を受け入れ、今でも弊庫で活躍してくれている。一部は、当初入職予定であった地元の信用金庫に戻り、地元の復興のために活躍してくれている。

震災の翌年には、弊庫取引先と被災された東北の信用金庫の取引先のビジネスマッチングを目的に、東京ドームでビジネスフェアを開催し、多くの外注契約、商品や材料の仕入れ等に結びついた。
以降、毎年、東京国際フォーラムでフェアを開催し、現在は230程の信用金庫が協賛するとともに、民間のイベントではありますが、多くの省庁や自治体、学校等も参加する一大イベントとなり、マッチングの成約件数も増加し、特に、地方の信用金庫のお取引先には、大手企業との商談機会の創出にもなっており、大変喜んでいただいています。

数年前からは、毎年、47都道府県に所在する信用金庫を通じて、全国のお米を福島県に集結し、福島県の酒蔵で「絆舞」という日本酒造りを行っている。全国が一丸となり、何かを創り出そうと考えたのが酒造りに繋がり、売上げの内1本につき百円が、被災地支援金として寄付されている。今では、福島で出た酒粕を、長崎でカステラに混ぜ込んだ「日本酒カステラ」や、静岡のわさびを漬け込んだ「ワサビ漬け」等にも利用され、お酒を通じて新たな「絆」が芽生えている。

昨今の、新型コロナウイルス感染拡大により、多くの人々が困難に立ち向かっている今こそ、今まで以上に「絆」を意識した取り組みを強化し、皆が笑顔で暮らせる日を早く迎えられることを、ただただ願うばかりです。

                                

人財塾3期生   城南信用金庫 斉藤任弘

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