恩送り
はじめまして。人財塾4期生の角田と申します。
最近心に残ったお話をご紹介させていただけたらと思います。
奈良県橿原市にある、げんきカレー橿原店「みらいチケット」のお話です。
英語教室を経営されている店主の斎藤さんは、ある時、家庭の事情で泣く泣く
英語教室を辞めざる得ない生徒さんを目の当たりにし、子供の貧困問題が
見えてきたそうです。
こうした貧困問題を少しでも解決できたらとスタートしたのがげんきカレーです。
100円でおなか一杯食べられるカレーを中学3年生までの子供たちに提供し、
沢山の子供たちが食べに来てくれていました。
ところが数年前のある日、「ぼく60円しかもっていない。どうしよう…」
そんなひそひそ話が聞こえてきました。
その様子を見ていた地元の常連さんが、斎藤さんに耳打ちしたそうです。
「俺、あの子の分出してあげるよ」
こうしたお客さんの温かい気持ちが「みらいチケット」誕生のきっかけになりました。
その後、店内のホワイトボードには「みらいチケット」がたくさん貼ってあり、
子供たちは、このチケットを使うと無料でカレーを食べることが出来ます。
そのチケットは、お客さんが、カレーの代金に上乗せして
1枚200円で購入してくれたものです。
「地域で子供たちを育てていく」という気持ちのこもったみらいチケット。
少しでも子供たちに喜んでもらえたら、地元が明るくなれば、
そんな心のこもった良い活動は、地元に広まり地域農家の方や地元企業から、
すこしでも有効利用してもらえばと、お米や食材など善意の寄付が相次いでいるそうです。
ある日、毎日のようにカレーを食べに来ていた男の子が
久しぶりに顔を出してくれました。就職後初めて訪れたその子が、
「今日はみらいチケットを買いに来た。自分、一番使っていたから」
と誇らしげにお金を差し出してきたそうです。
人財塾、講義での感動エピソードとも重なり、とても胸が熱くなりました。
彼のように、自分が受け取ったご恩を、次へ送り繋げていく
気持ちを持ち続けていきたいと思いました。
人財塾4期生 キョーデン設備株式会社 角田 孝志
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