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眼科医Vol.1260
母の言葉で諦めなかった医学の道
世界の近視医療を牽引する“クイーン”
近年、世界的に「近視」になる人が急増している。スマホ、タブレットが当たり前になりとくに低年齢化が深刻だ。そこで、今回の主役は、近視専門の学会を立ち上げ、生涯を近視研究に捧げる、東京医科歯科大学の大野京子。
彼女は、Queen of Myopia(近視医療の女王)の異名をとる。
世界初の専門外来として眼科研究をリードする「眼科学教室」の第5代教授として、これまで光学機器を共同研究したり国際スタンダードになった手術法などを開発、眼科医学の先端をひた走る。精神的なものが理由とされがちな面もあるという目の病気。大野は、その真実を追求したい、という揺るぎない信念と、教授となっても週に2日以上は必ず患者と向き合い現場を大切にする。その理由とは・・・?
また大野にとって目という器官は、まだまだ知られざる領域が広がる分野で、しかも「美しく」見ていて「喜びを覚える」という、なぜそんなに目に惹かれるのか、その秘密も紐解いていく。
さらに、大野が医師や教師と無縁の家庭に生まれながら医者となり、女性として世界的な研究成果を残してきたわけにも迫る。超多忙の中の家族のサポート、そして最大の岐路として、医者を諦めようと思った時にかけられた母親のある言葉が、大野の人生の鍵を握っていた。
PROFILE
1963年3月、三重県志摩市生まれ。横浜市立大学医学部卒業後、東京医科歯科大学にて眼科学研究の道に進む。98年文部省在外研究員としてアメリカに留学。2014年より東京医科歯科大学教授に就任(現職)。
彼女の研究は世界的な注目を集め、アジア地域初となる、網膜分野の世界的権威のある賞The J. Donald Gass Medalを受賞。今年のアジア太平洋眼科会議(APAO) では最高賞を受賞(The Jose Rizal Medal)。
日本医学会総会ダイバーシティ推進委員長。日本近視学会理事長。

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