人を大切にする経営人財塾 統計からの学び

 先日発表された人口推計によると日本の人口は昨年より66万人減少したそうです。これは、一つの中核都市や県が消滅していることになりますから企業経営にも当然大きな影響を与えていることになります。今後より人口動態が地域や自社の業界でどう推移するかを理解したうえで経営にあたる必要があります。

人を大切にする経営学会で主催する経営人財塾(EMBA:人本経営プログラム)では坂本学会長の指導のもと政府発刊の統計資料についての分析を行い、自社の経営に役立てるという統計学の時間があります。第7期の今年度も地域ごとの産業構造や農産品の出荷状況、人口動向などを調査分析しています。

 先日の授業では全国約1,700を超える自治体において2040年まで人口が増加し続ける市区町村を調査し共有しました。その結果、2040年まで人口が増加し続ける市区町村は東京23区を除いては全国で45自治体しかないことがわかりました。また埼玉、千葉、神奈川など首都圏以外では22自治体という結果となっています。

 さらに、研究では増加している自治体については首長の取り組みや行政施策についても見ていきます。そうすると人口減少が首都圏以外で増加、なだらかに推移している市区町村では行政の施策で人口を維持させることも可能だということもわかってきます。

 かつて、経営人財塾では2018年の調査研究において、「人を大切にする経営を実践する会社は子供の数が多いと」の仮説を立て、全国51社に社員の子供の数に関するアンケート調査を行いました。その結果、人を大切にする経営を実践する企業においては子供の数の総平均は1.90人と日本の合計特殊出生率を大きく超えていることがわかりました。

 これらの結果から人を大切にする経営の実践と先駆的な行政の事例を地域において共有、実行することで人口減少のスピードもなだらかにできるのではと考えられます。自社の経営に資する学びと統計から経営を読み解き自社の経営に活かす、このような学びを経営人財塾(EMBAプログラム)では毎月行っております。

 人を大切にする経営学会 事務局次長 
株式会社 サクシード 代表取締役 水沼 啓幸

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です