強くて優しい価値ある会社となれるように
経営人財塾6期生、株式会社ハチオウの森雅裕と申します。当社は、公害問題が激しかった50年ほど前に産業廃棄物処理業として創業しました。もともとは、創業者が東京の伝統工芸品である銀器製品の製造業をしていた関係から、廃液などから貴金属を再資源化することが目的の事業でした。下町の職人が始めた産廃業者です。現在は主に化学系廃棄物の処理事業とその適正管理や安全衛生、化学物質管理の現場支援などを営んでおります。「産業廃棄物処理業」というと、不法投棄や3K、5Kなど一般にはマイナスのイメージが多く、事実、特定の処理施設は「迷惑施設」として法律上定められています。世間的には認知度は低く、理解のされにくい仕事ですが、働いている私たちは、現在の社会と将来の世代の役に立つ価値のある仕事をしていると信じています。
当社の経営理念は、「五訓」です。「一つ、ありがとうという感謝の心、二つ、すみませんという反省の心、三つ、はいという素直な心、四つ、おかげさまでという謙虚な心、五つ、私がしますという奉仕の心」です。5つの心を経営理念と定め、創業の頃より毎朝全社員で唱和することを、現在も同じスタイルで約50年間継続しています。時代や人は変わっても、五訓は変わりません。産業廃棄物処理のプロフェッショナルである前に、一人の社会人として五訓の精神を大切にする風土を優先してきました。
私は、こうした社会課題の解決や心の教育を大切にしてきたハチオウに誇りをもっていますが、人を大切にする経営、五方良しの経営に取り組まれている多くの会社のあり方や事例を知れば知るほど、私は経営者として大切なことを忘れていると思うようになりました。実は、坂本先生に出会うまでは、会社の存続、利益目標の達成を主眼とした経営が正しいと考えていました。しかし、一年間の経営人財塾を通じて、会社の利益目標を主眼とする経営は、過ちが起こり得る事を知りました。人を大切にする経営を実践する会社は様々ですが、どの会社も損得ではなく、正しい判断を考えています。ハチオウも長年培ってきた風土や独自の強みを活かしつつ、人を大切にする価値ある会社になりたいと強く想うようになりました。
そして、今期の経営計画の作成に当たり、自社の存在意義を再定義することとしました。「強くて優しい価値ある会社」となることです。坂本先生に紹介していただいた会社に共通するのは、どの会社も人に「優しい」会社でした。そして、その優しさを実行するために「強い」会社でもあり、独自の価値観と強みを持つ会社でした。先ずは自分たちに出来ることから始めようと、人財塾で学んできた感動エピソードの輪読、障がいの体験学習やグループワーク、家族会や誕生月会を全員で取り組んでいるところです。NPO法人六星様のマグネットの販売も始めました。そして、非価格経営により高収益高賃金の会社となり、優しい価値ある会社となれるよう努めます。
人財塾6期生・株式会社ハチオウ・森雅裕
森さん、1年間、同じグループでご一緒させていただき、ありがとうございました。ご縁を大切にしたいと思います。
>>一年間の経営人財塾を通じて、会社の利益目標を主眼とする経営は、過ちが起こり得る事を知りました。人を大切にする経営を実践する会社は様々ですが、どの会社も損得ではなく、正しい判断を考えています。
⇒ 私も、そう思いますが、前半の考え方が正しいと思っている人達に、これを伝えることは、容易なことではありません。人財塾での学びは、本当に貴重なものでした。早速、自社の存在意義を見直されたとのこと、参考になります。これからもよろしくお願いいたします。