No327『株式会社中川(和歌山県田辺市)』第14回受賞企業ホームページから
このシリーズでは「第14回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」受賞企業のホームページを拝見して印象に残った内容をご紹介しています。
https://nakagawa-forestry.com/
株式会社中川(和歌山県田辺市)さんです。審査委員会特別賞を受賞されました。
和歌山県田辺市を拠点に、伐採された山に植林することを主とした育林業を行う林業ベンチャーです。
●概要
会社名 株式会社中川
所在地 和歌山県田辺市文里2丁目32−7
設立 2016/8/25
資本金 9,000,000円
役員 田中崇(代表取締役)/中川文惠(取締役)
従業員 従業員数34人(役員2人、社員27人、アルバイト5人)
決算日 3月末
事業内容
【育林事業】 植栽/防護柵設置/下刈り/間伐/枝打ち/育苗
【教育事業】 緑育/木育
【コンサル事業】 森林管理/作業道設計/書類作成/樹木診断/森林評価/山林簡易測量/計画作成管理/森林サービス産業事業/カーボンニュートラル事業
●創業者;中川雅也氏、起業までのストーリー(ホームページより)
インドネシアで貿易関係の仕事をしていた中川雅也。現地でデング出血熱にかかったことがきっかけとなり、会社を退職。
地元和歌山県田辺市に戻ることとなった。偶然見つけた森林組合の求人に応募し、中川は林業の世界に入った。
働き始めて林業の現状を知った。
山を健全に保つための手入れがされておらず、山が荒れていること。
利益が出ないことを理由に山の管理をしない人がいること。
8年間、森林組合の職員として働いた後、中川は起業を決意した。
「山を守るため、林業を産業として復活させる。」
「ビジネスチャンスはたくさんある。」
そうして中川は(株)中川を設立した。
●「植栽放棄地をゼロにする」
現在、和歌山県には木を伐採した後に何も植えられていない山が多く存在します。
植栽をしなければ次の世代に山を残すことができない。林業という産業を途絶えさせてしまう。
利益を出すため、山林所有者は製品である木を切り収益を上げることを優先し、将来への投資である植栽を後回しにしてしまう。
更に林業従事者が減少したため植栽に人員を割く余裕もない。
ここに確かなニーズを感じた中川は「木を伐らない林業」というテーマを掲げ、育林事業(植栽などの森林管理業務)の展開をスタートさせた。
●事業
株式会社中川さんは、和歌山県田辺市を拠点に、伐採された山に植林することを主とした育林業を行う林業ベンチャーです。
空き地を利用した苗木の自家生産や獣害対策なども行います。
林業のスペシャリストによる書類作成代行や作業道設計などのコンサルティング業務や、学校への出張授業などの教育事業、その他にも林業を盛り上げる様々な企画・事業を展開しています。
●最後に
株式会社中川さんのホームの文や写真はオリジナリティそのものであり、しっかりと考えた内容だということがよく伝わってきます。
同社のニュースページには今回の「第14回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」のニュースが掲載されています。
とても驚いたことに、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」受賞のお知らせとリンク先とともに、このような説明が1行だけついていました。
“今まで、受賞した会社が色々載ってますので是非ご覧下さい。”
この言葉からは、自社だけを主張しない株式会社中川さんらしさを感じました。そしてどんな会社さんなのか知りたくなり、興味や期待が一層膨らみます。
補足
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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