「他責と自責」

明けましておめでとうございます。人財塾6期生、アタックス税理士法人の海野です。
早いもので6期生が担当するブログは今回で最後になります。
この一年間、毎週水曜日に発信される同期のブログは、とても励みになりました。
6期の皆様ありがとうございました。これからも末永くよろしくお願いいたします!

さて、今日は私の部下Bさんの話です。
Bさんは当社に入社して5年が経ちます。今期から私のチームに合流してくれました。
仕事は丁寧にこなしてくれます。ですが、仕事量の割にはとても残業が多いなと感じていました。
今後Bさんが新たな業務に挑戦し、様々なことを経験して成長していくためには、
現状のスピード感では行き詰ってしまうことは明白でした。
ですが、Bさんの言動を見ていると、
仕事量の割に残業が多いということに課題感を持っているようには見えません。
また、残業が多いことの理由を他責で考えているのがよく分かります。
自ら気付いてもらおうと何度か面談もしたのですが・・・。

そんな時、先端IT企業として、メディアにも多数掲載される
アクロクエストテクノロジー様(横浜市港北区)に企業訪問する機会がありました。
もちろんBさんも一緒です。

同社は、「働きがいのある会社ランキング」連続1位、
「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」など、数多くの賞を受賞されています。
東大、東工大、京大の3校で、全体の5割以上を占める、一流大学出身の社員が多数おり、
「地アタマ」と「人間力」で勝負する、スペシャリスト集団です。
給料も賞与も、社員みんなで決めるという、全体査定(ハッピー360)をはじめとした、
風通しを良くする「仕組み」、社員自ら成長する「仕組み」、連帯感を生み出す「仕組み」など
とても見どころの多い会社様でした。

多くの「仕組み」をご紹介いただいた中で、
AcroNote(アクロノート)というものがありました。
AcroNoteは、予定と実績を15分単位で管理できるA4サイズのノートです。
昔、一部の若手社員の進捗が大幅に遅れたり、
指示どおりに作業することができなかったことがあったそうです。
そこで生まれたのがこのAcroNoteで、
毎日の始業時と終了時に上司がこのノートを確認し、
部下が立てた予定と実績を見ることで、改善策や意見を率直に交わすことができるようになったそうです。

その時、参加者の一人が質問しました。
「例えば2時間でこなす業務が予定通りに進まず3時間になってしまい、部下が1時間残業させて欲しいと言ってきたらどうされるのですか?」

Bさんの残業理由も大抵がこれで、
予定通りに進まなかった理由をあれこれ上げてくれるのですが、
深掘りしてみると残念ながら他責の理由がほとんどです。
何とか予定通りに進めようという自責の意識が希薄だと言わざるを得ません。

質問に対する回答はこうでした。
「ケースによりますが、大抵の場合残業は許可しません。2時間の業務が3時間かかったので1時間残業をするのでは、そこに改善や成長は生まれないからです。今日1時間多くかかったのであれば、明日の業務の中で、2時間予定している業務を1時間で終わらせるにはどうすればよいか。そこを考えて欲しいと思っています。」

後日、Bさんと面談をしました。
アクロクエストテクノロジー様への企業訪問はかなり刺激になったようです。
私からは、日本レーザー近藤会長の言葉を伝えました。
「他責の経営と自責の経営、全ては自分が招いたことだと考えないといけない」
また、AcroNoteのような取組みを一緒にしていこうとも伝えました。

Bさんは神妙な表情をしていました。
どこまで腹落ちしてくれているのかは分かりませんが、
Bさんのこれからの成長を見守りたいと思います。

私自身、自責で考えることを忘れずに・・・。

人財塾6期生・アタックス税理士法人・海野 大

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「「他責と自責」」への1件のフィードバック

  1. 海野さん、毎回、実際の事例をベースに良いお話をありがとうございます。
    アクロクエストテクノロジー様の『給与も賞与も、社員みんなで決めています』2019年刊を読んだことがあります。久しぶりに同社の名前を見て、新鮮な気分でブログを拝見しました。同社のようなタイムマネジメントができたら理想的ですね。本来は、これが当たりまえの考え方だと思うのですが、社員の意識が高くないと、AcroNoteのような取り組みはできないかとも思いました。私も似たような課題を抱えています。これからも、いろいろと情報交換をお願いいたします。自責と他責、自分にも言い聞かせていきたいと思います。感謝。