入塾までと入塾後1年を振り返って
現在66歳、千葉県松戸市在住の独立中小企業診断士です。
五方良し経営企業を千葉県に増やすことと、親族内事業承継の支援をライフワークとしています。その経緯を説明します。
55歳で半導体メーカーを辞め、56歳で中小企業診断士の資格を取得し、独立しました。その年に「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞を知りました。最初は、社員とその家族の幸せを第一に考える会社は、赤字の言い訳をしているのではないかと思いました。しかし、受賞条件の一つが「5年以上の黒字継続」であると知り、そんな企業はめったにないだろうと思っていたところ、毎年受賞企業が増えました。これを地元で増やしたいと思い、ライフワークにすると決めました。
もう一つのライフワークである事業承継支援は、独立初年度に支援した企業10社の経営者の年齢がいずれも65歳を超えており、そのうち9社が事業承継を面倒に感じ、考えていなかったことがきっかけです。これでは日本経済の将来が危ういと感じ、事業承継支援をライフワークにしました。60歳の時に千葉県事業承継・引継ぎ支援センターで親族内承継支援のコーディネーターとなり、現在も活動を続けています。実態を知るほど、その深刻さを痛感しています。
人財塾に入った目的は二つありました。
① 地元には業績が良く、社員を大切にしている企業は数社あったものの、障がい者雇用を実践していなかったため、その導入方法を研究すること。
② 親族内承継支援を6年間続ける中で蓄積した知見を整理すること。
人財塾が始まると、想定外に得られたものも多くありましたが、特に印象的だったものを三つ紹介します。
一つ目は、カリキュラムに「感動エピソード」の輪読があったことです。なぜ忙しい中で時間を割いて行うのか不思議でしたが、今では「人を思いやる心を思い出させるため」であり、それこそが五方良し経営の原点だからだと理解しています。
二つ目は、赤岩先生の講義で『大学』という書籍を紹介されたことです。講義後、初めて全編を読んでみると、「修身斉家治国平天下」という言葉がありました。これは、「家族を幸せにできない者は、国を幸せにできない」という意味であることを知り、サラリーマン時代に家族を犠牲にしていたことを反省しました。今さらながらですが、家族孝行を始めました。
三つ目は、九州視察旅行で(株)障がい者つくし更生会を詳しく知る機会を得たことです。社員の8割が障がい者ですが、障がいではなく「個性」と捉え、全員を一般雇用とし、補助金を受けずに黒字経営を継続していました。知れば知るほどびっくりする素晴らしい会社でした。
人財塾が始まって間もなく、積極的に取り組むほど得るものが大きいと感じ、体力の範囲内で精一杯努力しました。
よき仲間と出会えたことも含めて、充実感たっぷりの一年でした。
お世話になった皆さん、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。
人財塾7期生
ピープル総合経営研究所
大石泰弘
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