No365記憶に残る言葉【多摩草むらの会;風間美代子代表理事】
今回は2013年5月に坂本ゼミの視察先としてご訪問した『特定非営利活動法人 多摩草むらの会』さんをご紹介致します。
「第2回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」において審査員特別賞を受賞されました。
多摩草むらの会は、心の病を持つ精神障がい者の皆さんのための組織です。精神に障がいをもつ人たちが自立した生活をできるよう、就労支援、自立生活支援、相談支援などの支援事業を運営しています。
●概要(当時の資料をもとに作成)
名称 特定非営利活動法人 多摩草むらの会
代表者 代表理事 風間美代子
所在地 東京都多摩市鶴牧1-4-10 アネックス鶴牧101
設 立 2004年6月
スタッフ数 140名(うち正社員40名には高齢者やニートの人も働く)
利用者数 276名(近隣18市から通う)
事業所 15か所
事業内容
就労継続支援B型
・まんじゅう屋遊夢(まんじゅうの製造販売)
・かんてん茶房 遊夢(体にやさしい家庭料理レストラン)
・遊夢松が谷店(お弁当、お惣菜の製造・販売)
・草夢(公園清掃、ハウスクリーニング)
・夢来(就労体験と各種交流)
・夢畑(農産物の生産・販売)
・パソコンサロン夢像(PCを使って夢をカタチに)
・布や夢うさぎ(布小物のデザイン・製造・販売)
相談支援事業所
・待夢(利用者の総合窓口と相談支援)
共同生活援助
・グループホーム多摩草むら
就労継続支援A型
・畑deきっちん(多摩センターの本格派レストラン)
●設立のきっかけ
多摩総合精神保健福祉センターに通所していた障がい者の家族が「親の会」を発足し、その後1997年に精神障がい者の自立を支援するために「草むらの会」が設立されます。
2004年にNPO法人化され、現在の「多摩草むらの会」となりました。2008年に風間美代子氏が代表理事に就任しています。
●ご訪問当日は夢畑を中心に見学させていただきました
ここではすべて無農薬で育て、農産物は草むらの会が運営するレストランで提供したり、加工品になって出荷していました。
また障がい者の多くは病気のために薬を飲み続けなければなりません。そのため障がい者だからこそ、食が大切なのだと風間さんはおっしゃいます。畑で野菜育成の仕事をすることの充実感とともに、農薬なしで育つ野菜たちは安心して食べることができる貴重で価値ある食べ物なのだと感じました。
個人的には、現代では食べ物に含まれる農薬や化学肥料、人為的に作り出した種などの人工物が人体に不自然な影響を与えている可能性があるのではないかと思っています。
多摩草むらの会では、仕事を中心とした社会とかかわることと同時に、安全な食が利用者皆さんの体調作りに重要なのだ、と風間さんのお話から重要なメッセージを感じ取りました。
●風間代表のお話を聞いて印象的だったこと(利用者の家族から見えた一部の現実)
・親が子の障がいを受け入れられない場合がある
・親に高学歴が多いこと
・遺伝が影響している場合や、子供が兄弟共に障がいをもっていることも多いこと
・男性の精神障がいは治りにくいこと
このような特徴を伺いました。長年現場にいる風間代表のお話は説得力がありました。
●最後に
草むらの意味(ホームページより抜粋)
力の弱い野兎が遠くのニンジン畑まで出かけて行ってニンジンを手に入れるためには、途中で出会う外敵から身を隠せる“草むら”が必要なのです。
安心できる“草むら”があれば、うさぎは自分の巣穴と“草むら”の間を行ったり来たりしながら、今度はその”草むら”を拠点にして、更に広い世界を探索できるようになるのです。
(精神科医中井久夫先生の言葉)
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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