社員同士がつながる場をつくる
植彌加藤造園株式会社の荒川浩介です。
先日は、OBOG会で久しぶりに多くの方とお会いすることができ、とても嬉しい時間を過ごせました。近況を語り合いながら、皆さんがそれぞれの場所で頑張っておられる姿に刺激を受けましたし、何より印象的だったのは、運営を担ってくださった皆さまの丁寧な準備と温かい心配りです。一つひとつの段取りに「人を大切にする」という学会の精神が自然な形で表れていたように思います。あのような場で皆さんと再会し、時間を共有できたことが何より嬉しく、心に残っています。
さて今回は、この半年ほど社員有志で始めた新しいチーム「Ueya+PLUS(ウエヤプラス)」についてお話しさせてください。
このチームは、屋号である「植彌」に「+(プラス)」を付け、「現状維持ではなく、少しでも会社を良くしたい」という想いで立ち上げたものです。略して「UP(アップ)」には「向上」や「活性化」といった意味を込めており、社員一人ひとりの前向きな気持ちが、会社全体を押し上げていく力になればと考えています。
活動のきっかけは、昨年初めて開催した「大新年会」でした。部署や世代の垣根を越えて集まり、仕事以外の話ができる場をつくりたい。そんなシンプルな想いで始めた企画が、想像以上に社内の空気を和らげることにつながりました。この経験から「一度きりのイベントで終わらせるのはもったいない」という声が自然と上がり、現在のチーム活動へと発展しました。
私たちの活動の根底には、会社が抱える課題への意識があります。それは、社員同士のつながりの希薄さです。プロジェクト研究の過程で出会った前野隆司教授の「人はつながりの中でこそ幸福を感じる」という考え方は、私にとって大きな気づきでした。特に私たちの会社は多くの施設や現場に業務が分かれているため、物理的な距離が生まれやすく、それが心理的な距離にもつながりがちでした。こうした課題に対して、何かできることはないか。まずは「現場と本社の距離を近づけること」、そして「日常業務を超えた対話の場をつくること」を目標に掲げました。
その第一歩として、各施設とオンラインで対話する時間を設けています。これまで本社と話す機会がほとんどなかった社員とも顔を合わせ、「ああ、こういう人がいるんだ」とお互いを知るささやかなきっかけが生まれています。これはまだ活動の入り口であり、日々現場で働く仲間など、まだ十分に対話できていない人たちとも少しずつつながりを広げていきたいと考えています。今後は「大新年会」のような全社的な集まりを大切にし、業務の枠を超えて語り合える時間を意識的につくっていきたいと思います。普段はそれぞれの現場で汗を流す仲間と、仕事以外のテーマで話し、同じ時間を過ごすこと。それこそが、組織の一体感や信頼関係を育む上で欠かせない一歩だと感じています。
その試みとして、今年の「大新年会」は、若手社員が中心となって企画を進める体制に挑戦しています。私たちはそのサポート役として、若手が自分たちの手で場をつくり上げる経験を後押しします。将来的には、部活動や社員旅行など、社員が「仕事以外」でつながる企画も実現できればと考えています。業務から少し離れた時間にこそ、互いへの理解や共感が育まれ、会社の文化が豊かになっていくのではないでしょうか。
「プラス」という言葉には、単に何かを付け加える以上の意味があります。社員一人ひとりの声やアイデア、行動が重なり合うことで、組織全体の力が引き出されていく。そうした積み重ねの中で、現場と本社、若手とベテラン、離れた拠点同士が少しずつ「プラスの関係」で結ばれていくことが、会社の成長にもつながっていくのだと思います。
まだ始まったばかりの小さな試みですが、社員の声に耳を傾けながら、一歩ずつ、自分たちらしい「人を大切にする会社」の形を探っていければと考えています。
人財塾7期生
植彌加藤造園株式会社 荒川浩介
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