こころにひびいた「雨垂れ石を穿つ」

経営人財塾7期生、株式会社近正の高橋謙治と申します。弊社は大阪・堺市で創業し、115年の歴史を持つハサミメーカーです。主に園芸やお花関連のハサミを製造しております。
今回で2回目のブログ執筆となります。昨年の11月頃を振り返ると、人財塾における全体研究の最終まとめを行っていた時期でした。テーマは「なぜこの会社は人が辞めないのか」。全塾生が各1企業を調査するという研究です。
その際、私が担当したのは、九州にある「い草」の総合メーカー、イケヒココーポレーション株式会社様に関する研究でした。同社を取材する中で、次のような学びと気づきを得ることが出来ました。

イケヒココーポレーション株式会社様から学んだこと

  1. 経営理念の浸透と実践
    経営理念を社員一人ひとりが共有し、行動指針として実践されている点が非常に印象的でした。朝礼での経営手帳の唱和や、理念の見直しなど、理念を組織に根付かせるためのさまざまな工夫が行われていました。その結果、社員全員が経営理念を基に一体感を持つという取り組みでした。
  2. 社員の成長を促す仕組み
    少数精鋭のチームが商品企画から販売までを担当する「善玉制度」や、社員がプロジェクトの進捗や学んだことを全社員の前で発表するプレゼンテーションの機会、優れた業績や貢献を果たした社員が表彰されるMVP制度など、社員が主体的に働き、成長できる環境が整っていました。これらの仕組みにより、社員一人ひとりがモチベーション高く取り組み、組織全体が活性化し、「個々の成長が組織の成長につながる」という好循環が生まれていると感じました。
  3. 地域との共存共栄
    い草文化を継承し、地域産業の活性化に貢献している点にも感銘を受けました。伝統的な、い草製品を現代のライフスタイルに合わせて商品開発するなど、地域とのつながりを大切にされています。地域への感謝と社会貢献を両立している姿に企業としての温かさを感じました。
  4. 入社時の工夫
    新入社員が横のつながりを構築できる「グランピング」などの機会を提供しており、良好な仲間関係を築いています。また、企業理念や存在意義をしっかり伝えることで、入社後のミスマッチを減らし、新しい仲間が会社の一員として安心して働ける環境を整えられていました。
    こうした一つひとつの積み重ねが、社員の意識と組織の力を確実に高め、長期的な成長へとつながっているのだと感じました。同時に、自分たちの会社でもやるべきことがまだまだあると気づかされました。

坂本先生の言葉と日々の習慣

人財塾の中でも、坂本先生の「雨垂れ石を穿つ」という言葉が特に心に残っています。
先生ご自身が“ウサギとカメのカメ”のように、日々小さな努力を積み重ねた結果、今のご自身があると話されていたことに深く感銘を受けました。
この言葉は、私に大きな希望を与えてくださったとともに、続けることの大切さを教えてくれたように思います。

私もこの言葉を胸に、日々の生活の中でコツコツと行動を続けています。
5月のブログにも書かせていただいたように、会社では「毎日のハサミ製造ラインの清掃」、家庭では「仏壇の水かえ」を続けています。
どちらも一見すると些細なことですが、特に製造ラインの清掃は、「めんどくさいな」「今日は手を抜きたいな」と思うことも正直あります。
それでも、人財塾での学びがいつも背中を押してくれました。

会社の清掃を通じては、整理整頓の大切さや仲間とのコミュニケーションの機会、そして心をリセットする時間の大事さを改めて実感しています。
家庭では、仏壇の水をかえるたびに、日々の感謝を忘れずに過ごすことの大切さを思い出させてくれます。

終わりに

人財塾で訪問した数々の良い会社、坂本先生やご登壇いただいた先生方から得た学び、そして塾生の仲間たちとの絆は、今の私にとってかけがえのないものです。
これからも小さな努力を積み重ねながら、自分自身だけでなく、会社や周囲の人々にとって良い変化をもたらせるよう努めていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

人財塾7期生
株式会社近正 高橋謙治

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