就活は「やり方」よりも「あり方」⑤伊那食品工業

2015年、坂本光司教授(当時)と一緒に視察させてもらった会社がすごかった。

伊那食品工業株式会社。

長野県伊那市という東京からは遠くはなれた、山の中にある寒天メーカーの会社。           
寒天は、海でとれるテングサが原料。
溶かしたり固めたりして、新しい価値や新商品を創り出し、「かんてんぱぱ」は自宅で妻に教えられて食したものでした。                       

1958年創業以来の連続増収増益でした。

塚越寛会長(当時)は、「増収増益は目標ではなく、たまたまの結果です」             「目標は、社員自身が会社に所属することの幸せをかみしめられるような“いい会社”になる」

良い会社ではなく、いい会社。                                 良い子ではなく、いい子。                                   素直で優しい心というニュアンスを重視しています。                       良い会社は、増収増益。                                    いい会社は、社員満足度が高い。

「会社は社員の幸せのためにある」

私が視察でビックリしたのは、経営者ではなく社員の生き生きとした態度を見たからです。      玄関を入ると、「いらっしゃいませ」の声を、フロアーにいる全社員から一斉に浴びたこと。      それは、声が大きいというだけでなく、温かさが伝わったのです。                 親が子供の帰りを待っていたかのような温かさ。                         不思議でした。

それは、事務系だけでなく、忙しく工場の中でフォークリフトを動かす社員さんからも感じました。すでに、社会から認められ、行政や民間会社の視察が頻繁にあったことから、社員は役者のように“見られる”立場を楽しんでいました。

私達の質問への回答も心に余裕があり、ホントに楽しんで仕事をしていることが実感できました。                                             

人に誇れる“いい会社”なのです。                                (人を大切にする経営学会:根本幸治)

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