結果自然成

「けっかじねんになる」、禅のダルマ大師のことばだそうです。正確には。「一華(花)五葉開 結果自然成」だそうで、「一つの花が厳しい気候に耐え、時期が来れば五枚の葉を開くように、何事にも精一杯取り組んでいれば、その結果はおのずと思うように成るものだ」と言う意味だそうです(光照寺「和尚のミニ法話」より)。

会社は、儲けることを目的としてはいけない、儲けは結果にすぎないと、よく坂本光司先生はおっしゃいます。まさにその考えに通ずることばだと思います。

最近、このことを痛感する新聞記事がありました。

2026年3月3日、二デックの不正経理について第三者委員会の報告書が出されました。公表されている「調査報告書(概要版)」によれば、「⑴ 過度な業績プレッシャー(永守氏の経営理念の破綻)」との表題の元に次のようなことが書かれています。

「会計不正の原因としてまず挙げるべきは、過度な業績プレッシャーの存在である。この業績プレッシャーは、そもそも非現実的な目標設定がなされ、続いてその達成に向けて極めて強いプレッシャーが加えられることにより生まれている。そのプレッシャーは永守氏を起点とするもの」(同11頁)。

「非現実的な目標設定」とそれに対する創業者からの「極めて強いプレッシャー」が原因とされています。

ここで指摘されている経営理念は、「情熱、熱意。執念」、「知的ハードワーキング」、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」という「三大精神」のことです(「調査報告書(公表版)34頁」)。この「経営理念の破綻」とはどういうことでしょうか。

報告書には、創業者から経営幹部へのメールが多数引用されています。その中の一つです。

「こうして創業者が危機感高まる真剣な檄文を休日の昼にこれだけ多数の関係幹部に送っても、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」の日本電産精神に基づいて、直ちに返事を返してくる人物と、月曜日に会社にきてから勤務時間内でしか返事を返してこない人物との差が大企業病にかかっているかどうかを診断出来るのである。返事をしてきた時間軸を表にして並べてみれば、各幹部のその危機感や仕事への意気込みがはっきりしてくる。会社に出てから返事をよこしてくる人物が結構いることには正直失望落胆した。・・・やる気がない幹部は、一日も早く日本電産グループを去って貰いたいと思う。」(同36頁)

 

「情熱、熱意」は聞こえがいいことばです。

ただ、経営にあたっては、その使い方に気をつけなければならないと思いました。

経営者は、「結果自然成」の心を持って経営にあたるべきなんだと思います。

(学会 法務部会 常任理事 弁護士 山田勝彦)

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