二年の学びを「不易」の礎に――五方良し経営の実践と「働きがい改革」への挑戦

植彌加藤造園株式会社の加藤友規です。経営人財塾(EMBA)(以下、人財塾)8期生40名は、おかげさまで2026年3月14日(土)に修了式を迎えることができました。坂本光司先生、坂本洋介先生をはじめ、講師・コーディネーターの皆様、そして切磋琢磨した同期の仲間に心より感謝申し上げます。

私は7期・8期と2年連続で受講させていただきました。この2年間は私にとって、経営者としての「あり方」を根底から見つめ直す濃密な時間であり、修了を迎えた今、万感の想いでいっぱいです。4月からは弊社より新たに2名が9期生として入塾いたします。私自身は「人財塾ロス」の寂しさもありますが、今後は送り出す側として、社内報告会を通じて学びを組織全体へ浸透させていくことを楽しみにしています。

「五方良し経営」を不易の基盤に

当社は嘉永元(1848)年の創業から178年、法人化から39期目を迎える企業です。私の学生時代は、職人10名、売上1億円だった規模から、現在は160名の社員(職人、設計者、学芸員、研究者等)が集い、売上15億円規模へと成長いたしました。 私は経営において「不易流行」を指針としています。8期生のプロジェクト研究でも、「植彌加藤造園の不易流行 ―五方良し経営の基盤強化に向けた『あり方』と『やり方』の追求―」を論題としました。伝統的な「技術第一」という不易に加え、今では「五方良し経営」こそが、最も尊い「不易」であると確信しています。人を大切にする経営を基盤とし、「ダントツ商品力」で非価格競争を実現する「池クジラ」企業を目指すこと。これこそが、人財塾で学んだ当社の進むべき正道の「あり方」です。

心を耕す「感動」の学び

人財塾のカリキュラムは、理論のみならず「心」に響くものです。特に坂本ゼミで欠かさず行われる「感動エピソード」の輪読は、経営のテクニックを超え、人としての優しさや思いやりの尊さを教えてくれました。「人の優しさは涙の量に比例する」という坂本先生のお言葉が心に沁みます。

制度としての「働きがい改革」

現在、当社が注力しているのは、単なる労働時間短縮ではない「働きがい改革」です。 日曜日以外は働くことが当たり前だったベテラン層と、ワークライフバランスを重視する若手層。この両者の価値観を尊重するため、今回、正式な制度として「ライフスタイルに合わせた選択制の雇用契約」を導入しました。 「働く量」だけが評価の尺度になりがちな造園業界において、一人ひとりの事情に寄り添い、質と量の両面を大切にする仕組みを整えることで、持続可能な組織づくりに挑戦しています。

心と技を繋ぐSECIモデル

おかげさまで、現在弊社には多くの入社希望者が集まっています。この人財を育てる鍵が、独自の「植彌加藤造園流SECIモデル」です。 職人個人の「暗黙知」を「伝心共感会」などの場を通じて共有・共感し、形式知化していく。このスパイラルアップの過程に、人財塾で学んだ「五方良し」の精神を注入しています。「いい仕事」は、「いい仲間」「いい上司」「いい企業」「いい家族」との繋がりの中で生まれる「感動」の共有から始まります。

この2年間の学びを「知っている」段階から「できている」段階へと昇華させ、いつの日か学会の皆様に良き成果をご報告できるよう精進して参ります。人を大切にする経営学会の皆様、今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

人財塾8期生 植彌加藤造園株式会社 加藤友規

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