望水の物語=望水
伊豆半島の東伊豆町北川温泉に望水という素敵な温泉があります。
スタッフのおもてなしが特筆です。
経営理念が「思い出つくり」です。
物語1
お母様と息子さんの二人旅だと初めは思っていた中居のMさん。
お茶を届けに伺うと、お母さんがバックから写真立てを取り出して床の間に置きました。
「お父さん、大好きだった望水に着きましたよ、ゆっくりしてくださいね」
ご主人は5か月前に他界されたとのことです。
Mさんは、遺影に優しく語り合う家族の姿に胸がつまり、各部署に伝えます。
夕食では、床の間のご遺影の前にもお膳がしつらえられました。
湯気の上がるごはんとお味噌汁、香の物。
「どうぞ、ご家族でお召し上がりくださいませ」
お母様も息子さんも、涙を流して喜ばれました。
「もう一度3人で来ようと約束したんだものね」
物語2
「607号室を担当したHさんに渡してください」
それは、姉妹で宿泊されたお姉さまの手紙に書かれていました。
今回の旅は、妹の癌の手術を前に、元気付けを目的にしていたとのこと。
客室係のHさんが折鶴を手渡してくれたこと。
ムーンロードを見て、きっと願いが叶うと宣言してくれたこと。
そして、一番の感激は、「Hさんの力こぶ」。
Hさんは、帰り際に妹の前で着物の袖をたくしあげ、二の腕の力こぶを見せてくれたこと。
「私の力こぶ、触ってください。触っておいてください」
そう言ってほほ笑んだHさんの、元気と優しさが、ぎっしり詰まった力こぶ。
力強い力こぶが妹を勇気づけてくれました。
「手術は無事に終わりました。Hさんも元気でいてください。またお会いしましょ」
「感動が人を変える」坂本光司著2022年より抜粋
(人を大切にする経営学会:根本幸治)

コメントを残す