中国に依存しない経営が身を救う

最近のニュースで感じたこと。
中国に依存しきった経営体質をつくってはならないということ。
尖閣問題をめぐる理不尽なあの国の対応に経営が巻き込まれては身も蓋もなくなります。

このため国内で十分に価値がある商品づくりやサービス提供を実践し続けていくことが極めて重要です。
事実、理念経営実践成功企業は、例外なく、そうした商品開発やサービスを実現しているということがわかります。

例えば、最近、視察や社長の講話をお聞きした企業をいくつかみてみます。

エフピコは、高い技術力でトレイの商品開発を続け、さらに効率的な流通システムを構築しており、まず中国製品が参入してくる可能性がありません。工場も海外拠点はなく、これからも地域の障がい者を戦力として雇用し続けていく方針を固めています。

でんかのヤマグチも中国人が大好きな家電製品が主力商品としていますが、中国の買い手などまったく視野に入れておらず、地域の高齢者のための優しい電器屋さんという使命を一筋に経営を貫徹していくことでしょう。

中国に生産拠点を有している四国香川にある徳武産業では、介護シューズをつくっています。収益確保の源泉は中国で生産している既製品に任せてはいますが、国内の工場では、像のようにむくんでしまった足をもつご老人のために左右のサイズが違うシューズをつくったり、障害のある方向けに靴底の高さの違うシューズをつくったり、手間暇をかけた商品開発を行なっています。

この部門の採算性は度外視しているため直接的に収益の貢献はしていませんが、毎日、毎日山のようにサンキューレターが届きます。想像を絶する感動の声が消費者から届いています。そこまでするかというサービスは、確実に顧客の心をとらえます。そして、口コミが広がり、結果的に安定的な経営を実現させる原動力になります。

大切なことは、カネ回りがいいからといって、安易に中国マネーをあてにする商品開発やサービスにシフトしてはならないということです。もっとも、きちんと理念経営の人本主義を実践している企業であれば、まさしく目先の利益である中国バブルマネーに目を奪われる経営をする愚を犯すことはないものと考えられますが、あえて指摘をしました。

地域、高齢者 障がい者の役に立つという視点が、真に価値ある商品づくりやサービスをその会社にもたらしてくれるようです。理念経営先行企業の事例から、これからも選ばれつづける企業になるためのヒントが垣間見えます。

当研究室新刊 「弱者にやさしい会社の話」 もそういう視点で読んでいただくとさらに効果的かもしれません。

(月曜担当:小林秀司)

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