“伝える”ということ(2)

「人と人」「人とモノ」「人と地域社会」をつなげることが自分の使命!
火曜日担当のキナミです。

さて、今回は5月10日のブログ「“伝える”ということ」の続編です。

昨日の夕方、友人でラジオディレクターのKくんとともに
静岡県立静岡視覚特別支援学校を訪ね、
視覚障害の子供たちに図工・美術をどう教えているか
担当の先生にインタビュー取材をしてきました。

先日、当館で私が体験したエピソードをKくんに話したところ
以前、同支援学校の生徒を主人公にドキュメンタリーを
制作した彼が、学校と調整してくれた事で実現。
図工・美術担当の先生から、貴重な話を伺う事ができました。
(ちなみに、この学校の生徒が出演するKディレクターの作った
ラジオ番組「SBSラジオギャラリー
『It’s a wonderful world』~心は伝わる~」は
放送業界で権威ある日本民間放送連盟賞ラジオ教養部門で
最優秀賞〔全国1位〕を受賞しました。)

対応してくださったB先生は、
普通校から赴任してきたばかりの頃
戸惑っていた自身の体験談から語り始めました。

(先生談)
はじめはね、“色”の話をしたら失礼かと思ったんですよ。
でも、子供たちは、「何色?」「どんな色?」ってよく声をかけてくる。
「お花が咲いているよ!」って子供に言うと「えっ、どんな色?」って。

彼らは本当に“色”に興味があるんですよ!
たとえ見た事がなくて“色”そのもののイメージが曖昧でも。

みんなが“色”の話をしていると、
どんな感じなんだろうってどの子も思っていて、知りたがっている。
“色”の話は失礼じゃなくて、むしろ興味があるんだなあと思ったんですよ。

生まれながらに目の見えない子は、
我々が思うような“色”に対する概念がないので、
本当はどういうものかわからないと思うんですよね。
ただ、経験上、どうも、みんなの言っていることに、
こう話をあわせると、話しが通じやすいとか、
黄色とか赤とかあって、
よくわからないけど黄色っていうものは、
どうも冷たい感じはしないとか、
“言語的イメージ”でとらえているみたいなんですね。

中途で視覚障害になった子は、
ある程度具体的なイメージはあるみたいですが、
その頃の経験によって“色”が固定化されてしまうみたいですね。
赤って言ったら真っ赤のイメージ。
黄色って言ったら真黄色って感じでね。

逆に全然見た事がない子は、
黄色っていってもいろんな黄色があって、
赤っていってもいろんな赤があるということを
受け入れやすいみたいです。

“色”“形”“輪郭”“奥行き”を伝える難しさは
常にありますね。
“わからない”ってことをこちらが理解するのがまずたいへん。
子供たちがどこまでわかって、どこまでわからないか、
何でそれが“わからないか”を“わかること”が難しい。

続きは、来週の「“伝える”ということ(3)」で。

p.s.
“色のない世界”で生きる子供たちだけど、
ものすごく“色”に対して興味があるとか、
見えない世界を先生方はどのように伝えているのか、
短い時間でしたが大いなる学びがありました。
それと同時に、「作品と人」とをつなぐ学芸員の重大さを
あらためて痛感しました。

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