贈る言葉

日曜日担当の金森です。

ヴィトゲンシュタインは
「我々は言葉にて語り得るものを語りつくしたとき、
 言葉にて語り得ないものを知ることがあるだろう」
といいます。

論文を深めようとするとき、
言葉にできないものも創造することが重要です。
「言葉」とは、それだけ大切に扱うことが必要です。

さて、先日、親しくない他のゼミのある人と
出会いがしらの会話をしました。
私は問いかけられたことに対して答えましたが
彼女は「なにそれ?」と発しました。

人に対して「なにそれ?」という言葉しか発せない人間。
大学院にまで学問をしに来ている意味は何なのかと思いました。

学歴やキャリアアップを目的に大学院に来ているだろう彼女を見て、
「さもしさ」を感じました。

たった一言の言葉ですが、
その一言に、私はまるで「魔法の鏡」を持っているが如く
彼女の人生を垣間見ることができます。
言葉はその人の人生をそのまま表すものだからです。

学問は心を豊かに、人間の器を大きくするために
探究するものであると私は考えます。
それはとりもなおさず、
人に対して自然に思いやれる優しい言葉を差し出せる
自分を創るための営みともいえるでしょう。

私たち坂本ゼミ生はみんな、坂本先生の器の大きさに
心の広さと豊かさの気付きを頂き、
この探究の機会を自然に与えて頂いています。

素晴らしい心の贈り物を頂いてばかりで
何も返せないことに歯がゆさを感じていますが、
いつか先生のご意志をみんなでつないでいきたいと思っています。

今日は先生に「おめでとうございます」という言葉しか
贈れませんが許して下さい。

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