Kさん、正社員へ
統合失調症という障害をもったKさん。
早いものでわが社での3か月のトライアル雇用が終わりました。
週4日の5時間勤務で就労しました。
1日だけ体調に変調をきたし早退した日がありましたが、皆勤となりました。
8種類もの薬を服薬をしているので、朝がつらいときがあるようですが頑張りました。
自分は月の半分くらいは地方へ視察や研修などで会社を留守にしてしまいますが、うちの連中なら難なく受け入れてくれるだろうし、本人も絶対に問題なく就労してくれると信じていました。
まったく福祉系の専門サポートも必要とせずやってくれました。
kさん、そして素晴らしい社員達に対して本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
社会保険労務士業務の補助(年度更新など)、ネット上でのシンポジウム集客リスト収集、アンケート集約、研修資料作成、研修振り返りシート入力、文書校正、研修アシスタントなど多数の職務をこなしてくれました。
まったく問題なく執務できています。
迷うことなく決心し先月末に、7月から正社員としてKさんを採用することを告げました。
本人との話し合いで通院のある週以外は平日はフル出勤で週休2日制に移行することとにもなりました。
「契約社員とかではなく、しっかりとした正社員になれるなんて、とても嬉しいです。親もよろこぶと思います。」とKさんのその日の業務日誌に書かれていました。
翌日、朝礼のとき当人から驚くべき発言がありました。
「わたし・・・社会保険労務士になることを目指します。」
予期せぬ発言に、一同、いいね!きたーっ、と飛び上がらんばかりに喜んでしまいました。
心の病気で1年近い入院を強いられ、その後5年間も就労できなかった障がい者が社会保険労務士になったら、日本でいちばん、人の心の痛みがわかる人の専門家になれるに違いありません。
まだたった3か月ですが、Kさんのおかげでこれまで気づかなかった人間の可能性について深い学びが出来始めているようです。
マンガ家の似顔だそう。左がKさん。右側の方は同じ就労移行支援事業所の友達。さらにKさんよりも長く就労できない状態が続いているという。
小林秀司
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