心に響いた未来工業瀧川克弘社長の金言

昨年9月から行ってきた産業局委託の「平成24年度 構造変化にもたじろがない中小企業経営者の創出に係る調査事業」がようやくまとまる目途がついてきました。

けっこう、今までとは違う軸で、景気に左右されない経営体のあり方、実践論を展開できたように思います。

今年に入ってから、たくさん、すごい会社と素晴らしい経営者の皆さんとお会いすることが出来ました。

いちばんの発掘は東京の企業でした。

みかけは京浜工業地帯にあるごく普通の中小製造業のなのですが、売上高73.48億円、経常利益12.50億円、売上高経常利益率17%、自己資本比率が83%という堂々たる業績となっています。TKC経営指標のデータを見てみると、自己資本比率の平均は赤字企業でマイナス4%、黒字企業で27%、優良企業(黒字企業中上位15%)で53%となっていますから、この数値がいかに驚異的であるかということがわかります。

もう何年もこの状態が続いているのです。
創業以来62年間一度も赤字になったことがないということです。
あのリーマンショックの時も平然と売上高経常利益率10%を出し続けたという驚異の会社です。

まさしく構造変化にたじろいでいません。
終身雇用、年功序列、ほとんど残業なし、何でも言える組織風土、家族的経営、1年目から全社員が株主、多品種少量生産、そして社員一人ひとり個人別教育プログラムのある会社でした。

これだけの短時間労働で高い生産性を上げているのは、未来工業に匹敵すると感じられました。
これからこの会社、徹底的にベンチマークしていきたいと思います。

調査でお目にかからせていただいた経営者の皆さまからたくさんの金言をいただきました。
本当に感謝いたします。
もっとも響いたのが、その未来工業の瀧川克弘社長の言葉でした。

まるで大企業のサラリーマン経営者にむかって啖呵を切っているようでした。

栄えある第1回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞経済大臣賞に輝いた未来工業。
今でこそ、注目を浴びる企業になったが、やはりこれまでの苦労は並大抵のものではなかったことでしょう。

そのことが推し量れる瀧川社長の言葉でした。
謹んでご紹介させていただきます。

「リストラは麻薬。
楽をしたら見返りがある。
楽をしない覚悟をする。
面倒くさいしお金もかかる。
しかし、これをひとつひとつ手間暇かけてやってきた。
だからオンリーワンになれるのである。
惑わされずぶれずにやってきた。

会社で過ごす時間は長い。
この時間を社員に楽しく過ごしてもらう。
これに尽きるのではないか。
安易な道は選んでいない。
人がやらないところをやっている。」

小林秀司

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