ハートフルな、商品も優しいソーシャルファーム柿ノ木農場
皆様 こんにちは、佐藤浩司
今日は、3月の春合宿前に視察に伺った柿ノ木農場さんです。
http://www.kakinokinoujyou.co.jp/index.php
創業36年目(会社設立が昭和53年5月)
年商6億2500万円 資本金3000万円、
従業員40人(うち障がい者 23名)
内訳 : 知的18名、精神4名、身体1名
障がい者雇用をはじめたきっかけは、日本理化学工業さんと
同様に特別支援学校(当時は、養護学校です)から、強い要望が
あり、実習を受け入れていました。数年実習を受け入れていた頃、
養護学校の先生より、「そろそろいかがでしょうか?」との問いで、
柿ノ木農場さんいわく、「作業的にもできるし、社員といい雰囲気ですし。」
ということから、昭和62年4月にはじめて採用した。その方は43歳で
25年間勤務なさっています。
今日も訪問時に「事務所はどこですか?」という質問に対し、
親切丁寧に事務所まで案内していただきました。
最初に声おをかけさせていただいたときにそうかな?
(一瞬「間」があったため)と感じましたが、行動や受け答えは、
普通の社員と変わりませんでした。
知的障がい者の方も1人から3人(一人から三人のエピソードも
ユニークでした)になり、悩まれていたところ、全国重度障害者
雇用事業所協会(全重協)を知り、会合にオブサーバーで
参加して、障がい者雇用はもちろんですが、経営がどうあるべきか?
という議論を喧々諤々と行っていて、当時は、日本理化学工業さんが
70名の社員のうち、50名が障がい者・・・。そんな会社の方々が
会員であった。「全重協は、すごい方々が多いな…。」
目からウロコだったそうです。そして、刺激を受け、障がい者雇用を
増員しはじめた平成7年3月より会社の業績も障がい者雇用数とともに
伸びていった。
最初の1名を雇用する際の全従業員数は5名です。障がい者雇用を
考えられていている中小企業さまに柿島会長からのメッセージは、
1、TOPの英断。
2、まず、雇ってみる。
3、仕事をぶつぎりにする。
3ケからはじめ、
「社員全員が全員で面倒を見る。」、「社員が気づき優しくなる」
これらの文化が醸成されると、会長いわく、「商品も優しくなる」と・・・。
1番印象に残った言葉でもあり、力強く優しくおっしゃっていました!
痺れ鳥肌がたちました!
一方、NPO法人どんぐり福祉会で、A型事業所、B型事業所も
行っており、年齢を重ねられた方や体調が悪くなり、フルタイムが
困難な方へ仕事場所を創っています。
NPO法人どんぐり福祉会では、工作放棄地の再生と農業継承を
目的としたどんぐりファーム事業部、工場を再生し、えのき作業工場の
松代えのきソラノシタ事業部、共同生活援助・介護を目的とした
どんぐりの家事業部も3ケになります。
特定非営利活動法人どんぐり福祉会
http://star.gmobb.jp/dongurifukusikai/company.html
今までの100社近くの視察先で感じたことは、一般企業での
直接の障がい者雇用、NPO法人や一般社団法人で、農業と
農業継承を目的とした事業と住む場所の提供(共同生活援助・介護)を
行い、障がい者の生活と仕事を一生面倒みるということが地域に雇用と
産業を生み、発展する地域での(障がい者雇用)モデルかと感じましたし、
実践している柿ノ木農場さんは、素晴らしい取り組みで、
ゼミと合わせ、個人的にも応援させていただきたく思います。
今後こうあったらよいという提言(提案)をいただきました。それは、
福祉年金の活用の仕方として、賛否両論あるかと思いますが、
障がい者雇用のために事業所を開設した事業主には、国から
事業主へ、事業主から障がい者へ支払う方式を取れば、
より有効活用できるのではないか?
年金支給用件(分類と認定方法)を現状1段階から、
3段階に増やせば、障がい者のモチベーションと収入アップに
繋がり、働く彼らも幸せになるのではないか?との考えも提案
いただきました。
また、「年金をもらうから、仕事をしない」という意識が障がい者の
親に課題もあります。作業所ではたらく障がい者の方で、仕事を
教えている方もいて、工賃は、かわいそうな気持ちになる。
企業で働けば、もう少し、給料が向上するのに…。
親の思い違いで、就職すると年金不受給になるので、
働かせないのはどうだろうか・・・。
重度の方は、軽度の方よりは、福祉にお世話になりますが、
軽度の方は、働いて頂きたいのが願いです。
現場で、約30年障がい者雇用をされている方々の生の声です。
私もこの話しを聞き、まだまだやらなければ、ならないことが
沢山あると再度気合いを入れて邁進する所存です。
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