女の行儀、男の行儀

M2 瀬賀孝子 です。

 大学院へは上越新幹線で通っている。
 先日、新幹線の中で心臓が止まりそうな光景に出合った。小学生らしき
女の子が両足をテーブルにあげ、お尻丸出しでゲームに夢中になってい
たのだ。
「なんとまぁ行儀の悪い…….!! 」
 そのあどけない顔と成熟した女性のようなムチムチした太腿とお尻、紺色
のパンツを私はじっと見つめた。私があまりにじっと見るので、少女は怪訝
そうな目を一瞬私に向けたが、すぐに視線をゲームに戻した。その隣に母
親らしき女性がいたが、「親の顔を見る」ようなことはしなかった。
 
 女の行儀は「性的危険」から身を守るものとして伝えられてきた。
例えば、武家の女性が和服で手をついてお辞儀をする場合、頭・首・背中
をまっすぐに伸ばす。首を曲げ落とすようにはしない。襟から背中の肌が
まる見えになるからだ。男性を刺激しないような配慮だ。

 ご縁が結ばれ「新人女子の教育」を担当することがある。私は、彼女達に
ずっと「ひざ」をくっつけて座っているよう要求する。もちろんラクに膝がくっつ
く座り方のコツを教える。
 また短いスカートの場合、大判のハンカチーフを膝に置いてかくすように
要求する。そして言う。
「大人の女性として、男性に気を遣いなさい!! 」
ピンと来ない人と顔を心持ち赤らめる人がいる。時には、
「○○さん、また膝が割れてる! ここからパンティまで見えるわよ! 」
と、いささかエゲツない言い方で注意をする。
 まったく….おおらかに育ったものだ。そのおおらかさは可愛くもあるが。だ
からこそ「性的危険」から身を守る術を教えねばならない。
 次第に膝が割れ、何度も私に注意される女子には「恋人」がいない。恋人
がいる人は、教わらなくても膝をきちんとつけて座っている。恋人ができると
本能的に「性的危険」から身を守ろうとするのか? 行儀が良くなる。

閑話休題
 男の行儀の良し悪しは「自制」と関係がある。行儀を教わることのない環境
で育っても、自制心の強い男は段々に行儀を身に着けていく。
 お酒を愛好する私は、何十年来の飲み友達の男達がいるが、みんな行儀が
良い。何軒ハシゴをしても決して崩れない。
 行儀の悪い、自制心に問題ありの男は御免蒙りたい。

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