人手不足とクラウドソーシング活用

人手不足感が広がっています。特に建設や運輸、外食産業や介護などのサービス業では深刻な事態も伝えられています。株式会社東京商工リサーチの調査によると、2014年度の「後継者難」や「求人難」、「従業員退職」型などの「人手不足」関連倒産は前年度比16.0%増の311件。最近では人件費の上昇から資金繰りが悪化し倒産にいたるケースも発生していると伝えています。

これらの現象の背景には景気が持ち直してきていることのほか、総人口の減少を上回る労働力人口の減少などの構造的な要因があります。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(2012年1月推計)によりますと、 2010 年から2015 年まで総人口は146万人、1.1%減少しますが、モノやサービスを生産する20 ~64 歳の人口は476万人、6.3%減少。今後、需要を生み出す総人口も減少しますが、それを上回るスピードで供給する世代の人口が減少すると推計されています。

このような急激な環境変化にともない、業績軸重視の経営から、人の幸せ軸重視の経営へ、人を大切にする会社への変革が、会社存続にかかわる重大課題となってきています。すなわち、環境は、働く人に選んでもらえない企業にとって、非常に厳しく変化しているという事実です。

翻って、小生のまわりでは、昨年に比べ採用状況は厳しくなっているものの、離職者が極めて少ないので、仕事が増えた分をチームワークと生産性の向上で、カバーしている企業が数多くあります。また、クラウドソーシングの活用によって、安価で高品質な仕事の成果を獲得している事例も増えています。

クラウドソーシングとは、仕事の発注者(企業)がクラウドソーシング・サービスを提供している事業者のウェブサイトで仕事を公募し、受注者側は仕事の内容や条件をみながら応募します。発注する仕事のやりとりや成果物の受け取りはインターネットを通じて行われるので、発注者は選択肢が広く受注者は場所や時間にとらわれず仕事をすることができます。

クラウドソーシングで発注できる業務は、システム開発や設計、翻訳関連、デザインなど専門性の高いものから、データ入力など誰でもできるものまで幅広くあります。実際に、デザイン関連・WEB関連・印刷物デザインの仕事など、従来の10分の一以下の価格で、高品質の成果を得られた事例を現場で確認しました。

中小企業白書では、クラウドソーシング活用のメリットとして、「自社に不足する 経営資源の補完」、「必要な時にのみ発注可能」、「質の 高い成果物の受取」、「仕事のスピードアップ」をあげています。小生は、経営資源が潤沢ではない中小企業にとって、クラウドソーシングの利活用で、課題解決の選択肢と可能性が大いに広がると考えています。

今日一日、皆さまにとりまして、素晴らしい一日になりますように・・・。

春木清隆

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「人手不足とクラウドソーシング活用」への1件のフィードバック

  1. 春木さん
    おはようございます!
    なるほどねぇ・・・これだけネット環境が発達していますので使わない手はないです。
    ちなみに弊社ホームページも気を使って運営しています。